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死屍累々のスマホ市場に、意外な挑戦者。ライカから19万円の高級品も

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世界企業が次々と撤退するスマホ市場

2019年12月でサポートが終了したWindows Phone ©︎Roman Pyshchyk

 スマホ市場における生き残りが難しいのは、日系メーカーに限った話ではない。世界企業GAFAでも、スマートフォンの根幹部分で実績を残しているのはAppleとGoogleの2社だけだ。

 Amazonは2014年に「Fire Phone」を市場に投入したが、約1年で販売終了。同社製品としては「Fire Tablet」シリーズが成功を収め、タブレット市場で存在感を強めているが、スマホに関しては正反対の結果に終わった。

 また、Facebookもかつては野心を持っていた。2013年には台湾HTC社と組んで「Facebook Phone」ことHTC Firstを開発、スマホ業界に殴り込みをかけたものの大失敗。後継機は製造されていない。

 GAFAではないが、PC向けOSで最大のシェアを誇るMicrosoftも、「Windows Phone」がふるわず撤退している。PC版Windowsのインターフェイスをタッチパネルに近づけるなど、「スマホとPCの一体化」に向けたさまざまな工夫があったのだが、携帯機のセールスには結びつかなかったようだ。

 有力企業が挑戦と失敗を繰り返してきたスマホ製造は、死屍累々のレッドオーシャンである。果たして「意外な挑戦者」たちが市場に歓迎されるのかどうか、その行方を見守りたい。

<TEXT/ジャンヤー宇都>

「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 〜オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆

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