埼玉県川口市に若者が続々移住、なぜ?東京にはない魅力を住民に聞いた
リモートワーク化など、コロナ禍の影響で都心から郊外・地方に移住する人たちが増えていると聞く。
そんななか、埼玉県川口市も選択肢のひとつに挙げられる地域だ。
税収が見込みよりも34億円上回る
2021年6月30日の記者懇談会にて、川口市は「市民税と固定資産税、都市計画税を合わせた市税の税収が今年度当初見込みより、計34億円上回り計934億円になる」と発表した。
また、奥ノ木信夫市長は「住宅が東京と比較して安いことなどから、東京から移住してくる若い、高収入の市民が増えている」と理由を推測した。
これについて川口市役所税制課に尋ねると「(「若い高収入の転入が増えている」という話は)あくまでも市長の思い」と前置きしつつも「近年、川口駅や東川口駅周辺の開発が進んでいる。多くのマンションが建ち、即日完売であったという話も仄聞(そくぶん)している」と回答があった。
気になるのは、川口市がとりわけ“人気”を集める理由だ。同じく京浜東北線沿線には、大宮や浦和といった埼玉県を代表する街もある。それでもなお、川口市が選ばれるのはなぜか。川口市在住で埼玉県の住環境事情に詳しい、すんで埼玉さん(@sunde_saitama)に、話を聞いた。
“ミディアムパワーカップル”の移住も
すんで埼玉さんは、埼玉県鴻巣市出身。現在は、株式会社住んで埼玉の経営者として「合理的に考えて埼玉」をモットーに、住まいの相談プラットフォーム「すんで」などを運営。県内の魅力を伝えようとSNSで積極的な情報発信を行っている。
みずからも結婚を機に、2021年5月にさいたま市内の西大宮から川口市へ移住したすんで埼玉さん。マイホームを購入した新天地への評価について「住んでいる街が褒められて素直にうれしい」と話す。
「運営しているプラットフォームでは住まい選びの相談を有償で受けていますが、過去に、都心から川口への移住を考えていた人もいました。実際、僕が背中を押したのは2組。最大予算は4000万〜5000万、世帯年収は800万〜1200万ほどの“ミディアムパワーカップル”です。実際、自分自身も住むようになってから、東京から引っ越してきた若い夫婦が多いのを肌で感じていました」(すんで埼玉、以下同)