ワタミで「ワクチン接種2回でビール無料」キャンペーン。壊滅的な売上の打開策となるか
「ワクチンキャンペーン」の効果は微妙?
短期的な取り組みでは先述したとおり、2021年6月1日からワクチン接種を2回したお客さんに対して、ビール1杯が無料になるキャンペーンを実施。しかし、全グループ店で展開する本気度の高い取り組みですが、ビール1杯だけであれば効果は薄いでしょう。
新規の唐揚げ店や焼肉店を定着させたいのであれば、料理1品を無料としたほうが効果は出るのではないでしょうか。ちなみにアメリカでは州と企業が協力してワクチン接種者への無料キャンペーンを実施しており、ニュージャージー州では醸造所に行くとビール1杯がもらえるようです。「Go To Eatキャンペーン」のような政府の支援がなければ難しいといえます。
消費者の「和民」離れから脱却すべく、「ミライザカ」などの新店舗を展開してきたワタミですが、近年の業績は悪化傾向で、コロナ禍では壊滅的な状態に陥りました。資金調達には成功していますが長期では返済が利益を圧迫し続けます。利益率の高い唐揚げ店、焼肉店で消費者を掴めるかがカギとなるでしょう。
<TEXT/経済ライター 山口伸>