データ消失の犯人扱いされた27歳会社員。黒幕はまさかの人物だった
結局、汚名は晴らせなかった
「犯人は営業担当の西浦だったんです。先方に頼まれ、顧客データの取り込み作業を代行してやったところ、もらっていたデータの差分を登録しなければいけなかったのに、自分の持っていたテストデータを上書きしてしまい顧客情報を消してしまっていたことが明らかになりました。しかも本当に腹が立つことに、僕を犯人に仕立てたのは彼だったんです」
怒りが収まらぬ藤橋さんは潔白を証明するために調査結果を上司に提出します。
「でも、事態は変わりませんでした。1度客先に提出した報告を変えることはできないと言われたんです。僕はその客先から出禁になりましたが、西浦は客先からの信頼が厚く変わらず担当を続けています」
社内政治に長けているのか、真相が究明された後も西浦さんには大した罰は下されませんでした。その後、藤橋さんは、ずっと退社を考えているそうですが、なかなか転職先が見つからず……。忸怩(じくじ)たる思いを胸に抱きつつ、やむなく働き続けているそうです。
<取材・文/和泉太郎 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>
特集[隠しごとがバレて一悶着!]