弁解する余地もなく犯人扱いされる

「自分は顧客のデータに触れるような作業はしていませんでしたし、思い当たる節がないので、顧客がミスをしたのではないかと思いました。しかし、しばらくすると、なぜか社内で僕が犯人だという話が持ち上がったんです。

　顧客情報に触れられる立場にいるのは、僕以外いないと……。確かに誤ってデータを消しにくいシステムになっており、顧客のミスは考えにくい状況ではありました。でも間違いなくやっていないんです」

　藤橋さんは自分ではないと反論しましたが……。

「先方から原因究明を急かされた会社は、他に怪しい人物がいなかったことを根拠に、僕の過失だったと報告してしまったんです。上司からはあくまで表面上こうするだけだからと言われましたが、人柱のような扱いに愕然としました」

納得がいかず、「真犯人」を探すことに

　そして止むに止まれず客先に謝罪に行ったところ、案の定罵倒されることに。

「ひどい言われようでしたよ。いくら表面的に犯人になってもらうだけと言われても、向こうは自分が犯人だと思って責めてくるので辛かったです。どうしても納得がいかなかったので、個人的に原因究明に乗り出すことにしました。僕よりも知識があるSEに依頼して、ログを洗ってもらったんです。それでようやく真実がわかりました」

　その驚きの結果とは……。