「名古屋転勤は絶望」に猛反論。東京よりずっと住みやすい、名古屋の魅力
「東京の人が名古屋に転勤すると、絶望する。」――この春、こうした内容のブログがSNS上で拡散され、名古屋人のあいだで物議を醸している。
このブログによると、名古屋は「住みづらい」「買い物が不便」「店が少ない」「楽しいところがない」「文化的なものがない」「仕事以外のことをすべてあきらめる人生を強いられる」と、そんな街だという。
名古屋・東京の両方に住んだ経験がある筆者からすれば、これは全くの間違いである。
実際には、名古屋は「買い物天国」かつ「奥深い・最新の文化に触れることができる」街であり、とくに「暮らしやすさ」では他都市と比べて群を抜いている。そこで、今回は名古屋の魅力について知らない読者のために、複数回にわたって「名古屋暮らし」の魅力を存分に伝えていこう。
「名古屋という街」を知れば知るほど「なぜ転勤したい都市」の候補に挙がらないのかが不思議に思え、そして読み終えたころにはきっと「名古屋に転勤したくなる」はずだ。
「住みやすい街」の代表格・名古屋
「名古屋の魅力」の筆頭格といえるのが、その「住みやすさ」「暮らしやすさ」だ。
名古屋市中心部では百貨店・飲食店・文化施設などの面で東京とほぼ変わらないクオリティの生活ができるのに対し、家賃相場は都心部であっても東京23区内と比べるとかなり安い。
リクルートが運営する不動産情報サイト「スーモ」(2021年5月調査)によると、東京都新宿区の賃貸マンション(1K)の平均家賃は10万2000円であるのに対し、名古屋の中心・サカエがある名古屋市中区における賃貸マンション(1K)の平均家賃は5万8000円とおよそ半額。
これは「東京23区内のどの区の平均家賃価格よりも安い」水準であり、名古屋では利便性の良い一等地であってもかなりお得な物件を選ぶことが可能だ。
しかも、愛知県の物価水準は(県内で多少の地域差はあるものの)東京都と比べ7%程度も安い。家賃と物価を総合すれば、名古屋での生活は東京よりも「圧倒的に安上がり」だ。
年130時間分の余暇時間が生まれる
さらに家賃が安い名古屋の郊外に住み名古屋の都心の会社に向かう場合でも、通勤は首都圏と比べて圧倒的にラク。
2020年のニッセイ基礎研究所の調査によると、東京都の平均通勤時間は「45.1分」、全国1位の神奈川県では平均「53.4分」だが、愛知県では平均「36.2分」しかかからない。つまり「職住近接」の名古屋では、首都圏と比べ、往復の平均通勤時間は20〜40分ほど短くなる。
通勤時間が首都圏より約30分短いとすれば、週5日勤務だと1年あたり「約130時間分の余暇時間」が生まれる。この時間を有効活用すれば、生活の質は大きく向上する。