bizSPA!

「すかいらーくHD」の業績がやばい。外食の中でも打撃が大きい理由

ビジネス

年始に起きた第3波の影響が甚大だった

 コロナ禍が始まった2020/12期は業績が大幅に悪化しました。2021年2月発表の決算報告では2020年度成績を売上収益2,884億円(-23.2%)、営業利益-230.3億円(赤字)、当期利益-172.1億円の減収減益と公表しています。

 同社公表の月次既存店売上高は2020年4月に前年比-58%という驚異的なマイナスを記録して以降、11月には-12%まで回復しましたが、前年を超えることはありませんでした。

 新しい需要として期待されるデリバリー・テイクアウト関連の売上収益も500億円にとどまっています。利益面では新規進出の凍結や原価削減に努め、損益分岐点売上高を下げることに成功しましたが、赤字を免れなかったようです

 そして先月公開された2021/12期第1四半期(1〜3月)の成績も悪化が続いています。売上収益648.3億円(-25.3%)、営業利益ー12.6億円、四半期利益ー18.9億円赤字と年始に起きた第3波の影響が甚大でした。そして4月からは第4波の拡大もあり、今期業績の下方修正に至ったようです。長きにわたる緊急事態宣言の発令によって、今期は半年間ずっとコロナの影響を受けていることになります

「必需性の低さ」がコロナ禍の影響を拡大した?

マクドナルド

 一方で他社の決算短信を見るとマクドナルドの2020/12期売上高は前年比で2.3%増を記録しており、すき家を運営するゼンショーは2020/3期売上高を前年比-5.6%と公表しています。いずれも大幅な減収を回避できているようです。

 マクドナルドは感染リスクの低いドライブスルー需要が増収に貢献し、すき家は郊外型店舗の好調が業績を支えたようです。これらと比較するとファミレスという形態はテイクアウトとの相性が悪く、平日の需要が期待できないなど必需性が低いこともあって「すかいらーく」の業績は悪化したと考えられます。

おすすめ記事