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サウナにハマった32歳女性が“熱波師”検定に挑戦した結果「精神的に前向きになった」

コラム

実は数々の資格を取得していた…

 実は、伊藤さんは数々の資格を取得している資格マスターでもある。

「最初の資格は中学生のときにとった英検です。そのあとは、簿記やファイナンシャルプランナー、中小企業診断士、宅建をとりました。どれも就活に役立つ資格です。自分に自信がなかったので差別化できる武器が欲しかったんです。結局、取った資格とは関係のない営業職につきましたが(笑)」

 そもそも資格を取る魅力とはどこにあるのだろうか?

「最初は、自分に自信をつけるためにとっていた資格でしたが、今は資格取得そのものがライフワークになっています。アロマテラピーや美文字、日本ビール検定、ねこ検定なんていうのも持っています。統一感がなくて『お前は何がしたいんだ?』って思われるかもしれませんが、資格取得をきっかけに、知識が増えて自分の価値観も変わりました。さらに人間関係も広がることが、楽しくて仕方ないんです」

熱波師になってから「汗かき」に

汗

 なかでも熱波師のやりがいについて、伊藤さんはこう語る。

「また、熱波師はお客さん1人ひとりの健康に対して責任を持つ仕事です。のぼせて倒れる人が出ないように、時間をはかるのはもちろん、全員の顔色、汗の出方を見ています。そして、危なそうな人がいたら、すぐ声をかけて一度退室するように促します。そのような気遣いを心掛けているうちに、サウナの外でも人に優しい気持ちが持てるようになった気がします

 そして、一番はお客さんに『気持ちよかったよ。また来るね』とサウナでスッキリした笑顔で言ってもらえたとき。自分の工夫や頑張りの結果が、直接お客さんの表情や言葉で返ってくると、やりがいを感じますね」

 とはいえ、熱波師になって何か嫌な経験もあるはず。率直な意見を聞くと……。

「熱波師になってサウナ通いが増えたことで代謝が良くなりすぎてしまい、汗っかきになったことですかね。少し早歩きしただけで顔中が汗だくになるので、夏場はタオル必須です(笑)。一応、女子なので清潔感は保ちたいですよね」

 とのことなので、ほぼ困ったことはない模様。代謝も人生も良くなりそうなこの資格。サウナブームで今後より注目されるかもしれない。

<TEXT/緑川アイラ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

早稲田大学第二文学部卒業、ADHD、プロボクサー。5戦全勝で日本タイトル戦に挑むも敗北。発達障害者としての半生を赤裸々に綴った著書『ADHD女子革命』をKindleストアで発売中

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