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不登校YouTuberゆたぼんのパパが衆院選に出馬「選挙は冒険や!」に透ける背景

ビジネス

何の政策について訴えていくのか?

 元ヤンキーの政治家は何人かいるが、ワルだった過去に加えてオリジナルの心理カウンセリングや禁煙情報商材などを売って、小学生のYouTuberの息子との講演会を開いて稼いでいた人物が、代議士のセンセイに一気にクラスチェンジできるなら夢があるではないか。

 今回の選挙で中村氏は、不登校問題や教育問題について訴えていく考えといい、ブログによれば「多様な学びの機会を得られる国づくりをしたい」と。ご立派だ。

 この国にはすでに多様な学びの機会はあるので、要は義務教育の枠を飛び出したゆたぼん君のような生き方を大勢に肯定させることを目指すのではないだろうか。そう掲げながら、中村氏には勝たねばならない理由もある。それは「2ちゃんねる」(現・5ちゃんねる)創始者のひろゆき氏との遺恨である

アンチも熱狂させた「論破王」との遺恨

ひろゆき

ひろゆき氏 ©扶桑社/SPA!

 ゆたぼんが中学校不登校を宣言して話題になった際、ひろゆき氏はツイッターで「子供に教育を受けさせる義務を放棄してる親には罰則が必要だと思います。教育の機会を捨てるのを是とする考えを広めるのは社会的に良くないしアホの再生産になります」と述べた。

 これに中村氏は「義務教育の意味を理解してないアホがなんか言ってら。子どもが学校に行かないからと言って親は教育を受けさせる義務を放棄してるわけではない」などと反論。ひろゆき氏がゆたぼんの自宅学習の方法を問えば、中村氏はなぜかゆたぼんの動画に誘導するなど、二人の応酬は続いた。

“ゆたぼんアンチ”も熱狂させたこの一件は、中村氏には堪えたのかもしれない。出馬を焚き付けた立花氏も、出馬表明のネット記事を引用する形で「ゆたぼんのパパは正々堂々と選挙に挑戦します。一方で4億円以上の負債を踏み倒して国外逃亡している西村ひろゆき氏とは大違い」(原文ママ)とツイートし、対立を煽っている。

 別にひろゆき氏がこの選挙の対抗馬ではないことは賢明な皆様には説明不要だろうし、選挙に出るのは別に自由なのでちょっと何を言ってるか分かんない部分はあるものの、つまりは生意気なひろゆき氏を見下ろしたいということだろう。

 中村氏が国民から選ばれ、国民を代表して国政を議する人物となった暁には、「義務教育じゃなくてもいい」教育制度の整備を実現することで、ひろゆき氏を「論破」できる。「あなたのはただの感想でしたね」「国の政策を否定するのやめてもらっていいですか」などと嘲笑うことも可能だ。さぞかしスカッとするだろう。大人のケンカである以上は圧倒的に勝たねば意味がないのだ。

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