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缶コーヒーのUCC上島珈琲が「ボトルコーヒー」本格参入。狙いを副社長に聞く

ビジネス

マーケティングには「直感」と「定量

 2009年には外資系から再び日系企業の資生堂へ転職し、ブランドバリューの再構築やマーケティング戦略の立案に従事する。2012年からは執行役員、そして2017年には資生堂ジャパンの代表取締役に就任する

「私が入社した当時は、ちょうど競合他社の追随があって資生堂ブランドのあり方やブランドバリューを見直す時期でした。今までは経験に裏打ちされた直感や閃きを大事にする社風でしたが、定量分析をもとにしたブランド育成の重要性も問われていた。そんななかでどのようにして消費者へブランドの価値を伝えていくか思案していましたね」

 また、化粧品業界特有の「お客様との関係性の作り方」も創意工夫しながら取り組んだという。

「化粧品は百貨店やデパートのほか、街中の化粧品店や量販店などの販売先があります。チャネルごとにお客様との接し方や売り方が異なるので、大事になってくるのはお客様との関係性。百貨店やデパートではBC(ビューティーコンサルタント)が、資生堂のブランド価値を伝える役目を担ってもらうのに対し、化粧店専門店では地域密着の色が強いので、得意先や取引先との関係性を築いていかなければならない。最適なブランド訴求を行うための仕組みづくりを意識しながら、資生堂のブランドバリューを向上できるよう努めました」

ブランドを次世代に伝えていくには…

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杉山氏が着手した初めてのプロダクトである「UCC COLD BREW BLACK PET500ml」

 そして2021年には、UCC上島珈琲の取締役副社長に抜擢。同社がこれまで培ってきたブランドの新たな価値訴求を見出すために尽力しているという。

「創業者である上島一族が築いてきたUCCの価値について、今まであまり発信できていなかった。ブランドが生き残るためには、時代の変遷の中でしっかりと次世代の生活者へその価値を伝えていく必要があります。ただ単にブランドの歴史や美味しいコーヒーを淹れる技術を伝えるのではなく、生活者のライフスタイルに自然と入り込むようなブランドストーリーを描かないといけない。強いブランドって、手に取るユーザーにとって意味や価値があり、他の商品よりも優先的に選ばれるものなんです」

 そんな状況のなか、2018年から発売していたペットボトルコーヒーを、2021年3月22日に「UCC BLACK COLD BREW PET500ml」として大幅リニューアル。「嗜好性」や「止渇性」を兼ね備えつつ、本物のコーヒーをカジュアルに飲用してもらいたいという。

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3月17日に開催された「UCC COLD BREW 新商品&新CM発表会」へ出席した女優の池田エライザさん

「『香るどブリュー』というキャッチコピーを作り、レギュラーコーヒー本来の“香り”や“味”が伝わるような商品設計を心がけたんです。マーケットトレンドである『ちびだら飲み』に応えるのはもちろん、UCCの持つクラフト感や水出し抽出による本格的な味わいといったベネフィットを若年層へ届けるために『UCC COLD BREW BLACK』のリニューアルに踏み切りました」

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