情熱の矛先は思わぬ方向に…

　返信のテキトーさにNさんは気づいていたようでした。そんな態度がNさんの食に対する情熱に火をつけたのか、これまでよりも頻繁に食に対するプレゼンをしてくるようになったのです。

「ここのお店がおすすめとか、この食材はこうすればぜったいにおいしいみたいなのを熱く語ってきて正直面倒でした。一度そこまでしなくていいと言ったのですが聞いてもらえず、さらに食事の大切さみたいな説教じみたことまで言い出してどんどん面倒になりましたね」

　興味のないことを延々と送り続けてくるNさんにうんざりしていた長浜さんは、ある時、興味を持てないこと、LINEの内容に飽き飽きしているということを直接Nさんに伝えてしまうのです。

めげない友人にうんざり

　しっかりと自分の気持を伝えて、少しはマシになるかと思った長浜さんでしたが、その後も状況は一向に良くなりませんでした。どうしても食事に興味を持ってほしいのか、食事についてのLINEをNさんはやめてくれないのです。

「食事だけじゃなく、人が好きなものってそれぞれ違うじゃないですか。だから興味のない人に自分の好きなものを押し付けるのは良くないということも話したんですが、なんか理解してもらえなくて。今はどうでも良くなってしまってLINEを無視しています」

　生きる上で欠かせない食事だからこそ、興味を持ってほしいと強く思ったのかもしれませんが相手の気持ちを考えないNさんに長浜さんは心底呆れてしまいました。LINEを無視している今でも、そんなNさんからは相変わらず食事について色々と送られてくるといいます。

「最近では僕と共通の友人からも僕にしつこくLINEしすぎだと注意されているようなんですが、あんまり聞いてないみたいですね。特別連絡する必要もないですし、そろそろブロックしてもいいかなと思ってます」

＜TEXT／つる＞