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「地元出身の力士を生みたい」相撲芸人が地元・福島いわき市で抱く密かな野望

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『アメトーーク!』では苦戦。もう呼ばれないかも

――それは本当に相撲としての手応えですね(笑)。

あかつ:たしかに笑いの手応えではないですね(笑)。苦戦したのは『アメトーーク!』(テレビ朝日系)です。2017年に「相撲大好き芸人」で出させてもらったんです。

 みなさん相撲について話すんですけど、僕の中ではトークっていうのがすごく苦手というのがあって。それで、お相撲さんの四股名が出てきたらイメージしやすいように「ちょっとものまねしますね」って毎回のようにものまねをやったんです。

 そこで視聴者もスタッフさんも「ちょっと違うな」って思ったのか反応が悪くて。終わってから、「そりゃトーク番組だし、そこで勝負しなきゃダメだよな」って猛省しました。オンエアを見たら、ちゃんと面白くしていただいていて、ありがたいのと申し訳ないなって思いで複雑でしたね。たぶん、あれが最初で最後の出演だと思います。

予想外づくしだったアポロシアター

ニューヨークの観光名所でもあるアポロシアター。ここでもしっかりと爪痕を残した ©︎vacant

――2012年、2016年とアメリカのアポロシアターでネタを披露して人気者になったそうですが、そもそもなぜアメリカに渡ったんですか?

あかつ:逆輸入じゃないですけど、アメリカでドカーンって注目されたら、箔がつくなって思ったんです。相撲って海外でもすごく人気があるって聞いてはいたので。だから、きっかけはエピソードトークづくりですね。オンラインでもオーディションあったんですけど、実際に現地に行ったほうがトークとしては厚みが出るなと思って、受けに行ったら、本当に受かっちゃった。

――そこまでは予想外だったと(笑)。具体的にはどんなシステムで勝ち上がるんですか?

あかつ:僕の出たアマチュアナイトっていうのが、年間通してやってるイベント。歓声の音量が大きい人が上位に残るっていうようなシステムです。最初は「ウィークリー」って言って、10組ぐらい出て上位3組は「マンスリー大会」に上がれます。その上位3組が、月の代表として半年間の代表になれる。また「半年間の大会」で上位3組になると、上半期と下半期で「年間チャンピオン大会」に出られるって感じです。

 僕が初めて行った2012年は「ウィークリー」で3位、「マンスリー」でダメだったんですよ。2016年の時は「マンスリー」でも3位になったんですけど、「半年間の大会」で脱落しちゃった感じですね。結局、「年間チャンピオン大会」には出られずじまいでした。

――とはいえ、「マンスリー」まで勝ち上がれば地元で人気者になりそうですね。

あかつ:仕事にはつながらなかったですけど、ライブが終わってからスタッフの人とかに「スモウマン!」とかって声を掛けられたりはしましたね。自分の中では「これすごいことだ。日本帰ったら記者とかにいっぱい囲まれるだろうな」と思って、すぐにブログで報告してドキドキしながら帰国したんです。ただ、フタを開けてみたら、そんな人は誰一人としておらず(笑)。「年間チャンピオンにならないと意味ないんだな」って痛感した瞬間でした。

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