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「地元出身の力士を生みたい」相撲芸人が地元・福島いわき市で抱く密かな野望

暮らし

 まわし姿で相撲ネタを披露するお笑い芸人・あかつさん(40歳、@akatsu_sumo)。相撲とエクササイズを融合させた「すもササイズ」、相撲とものまねをミックスした「すものまね」は代表的なところだ。

あかつさん

あかつさん

 2020年に個人事務所「赤津部屋」を設立し、地元の福島県いわき市に移住。コロナ禍の影響も考えられるが、具体的にはどんな理由があったのだろうか。

 インタビュー前編では、お笑いに目覚めたきっかけ、ナインティナイン・岡村隆史を出待ちしたエピソードなどについて語ってもらった。後編では「すもササイズ」の誕生秘話、バラエティーやアポロシアターに挑戦した際の成功・失敗談、Uターン後の活動や今後の夢などについて語ってもらった。

「すもササイズ」誕生秘話

――あかつさんと言えば、まわし姿で踊ったりものまねしたりする「すもササイズ」のネタで知られていますが、どんなきっかけで生まれたんですか?

あかつ:もともと「すもササイズ」は本ネタでやったことがなくて。『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」に出たいなと思って始めたんですよ。

 あの番組に出るためには、「何が自分に合ってるのか」ってことをいろいろと考えてたんです。そしたら当時、まわしを叩いて気合いを入れる元横綱の朝青龍関の姿が目に飛び込んできて。「独特だな」って感じたんですよね。家でやってみたら意外と似ていて「これは自分に合ってるな」と。それから、しっかりネタをつくり始めました。

――ネタの原点は朝青龍関だったんですか!

あかつ:ただ、ブームをつくるのって女子中高生じゃないですか。それで、「若い子って何が好きなんだろう」と考えた時に「そうだ、加藤ミリヤだ!」と思いついて。「この曲を流しながら相撲ネタやったらウケるんじゃないか」ってことで、ものまねやダンスを取り入れつつ、だんだんと固まっていった感じですね。

 ネタのアイデアが浮かんだ2か月後ぐらいに『あらびき団』(TBS系)のオーディションがあって。そのネタを披露したら「加藤ミリヤの曲もいいんだけど、老若男女知ってる曲でできないかな」って番組側から相談があったんです。それで5曲ぐらい候補を持っていったなかのひとつが、ジャクソン5の「I Want You Back」だったと。ネタの曲が定着したのは、その時ですね。

『あらびき団』でブレークしたきっかけ

あらびき団

『あらびき団復活記念公演』¥4180 販売元:よしもとミュージックエンタテインメント

――そんな経緯があったんですね。ネタを披露した時の手応えはいかがでしたか?

あかつ:『あらびき団』の収録ってお客さんもいないですし、カメラマンさん、音声さんを含めたスタッフさんが10人くらいいる感じ。撮影時間も長いから、現場で笑うって感じじゃないんですよ。ただ、ネタがオンエアされてる最中にSNSのフォロワー数がとんでもなく増えて。当時はmixi(ミクシィ)ですけど、ものすごい友だち申請がきました。

 ちょっと唖然とした感じでその日は過ごしましたね。その何日か後に『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(フジテレビ系)の「山-1グランプリ」と『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の「おもしろ荘」のスタッフさんから「一度ネタを見させてほしい」と声が掛かって。結果的にどちらも出させてもらったんです。

――『あらびき団』から広がっていったんですね。そのほかで手応えを感じた番組、また苦戦した番組はありますか?

あかつ:手応えを感じたのは、『クイズ☆タレント名鑑』(TBS系)ですね。「芸能界ガチ相撲(DVD化されたタイトルは「USC史上最大ガチ相撲トーナメント」)」って企画があって、僕も出させてもらいました。その1回戦で戦ったのが、新加勢大周で話題になった坂本一生さん。下手から豪快に投げて勝ったんですよね。その時は「よっしゃ!」って手応えがありましたね。あれは本当に気持ちよかった。

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