「コクとキレ」って本当はどんな意味?「本麒麟」開発の味のプロに聞く
これからのビール業界への展望
2020年からコロナ禍による飲食店の営業自粛、感染防止対策など飲酒シーンにもさまざまな変化が起きています。そんななかで大橋さんが意識している点を最後に聞きました。とりわけ、昨今は飲み会や宴会などでの「若者の酒離れ」が叫ばれていますが、ビール会社として意識していることはあるのでしょうか?
「実は、若い人たちがお酒を飲まないという話には懐疑的なんです。コロナ前に開催していたフェスやビールイベントには若い方もたくさん来ています。過去に比べて、お酒に代替できる娯楽が増えたというのが、私は酒離れの本質だと思っています。ビールメーカーだけでなく、楽しい場の提供という意味では、あらゆるものが競合だと思っています」
本麒麟を筆頭に、さらなる進化を求め続ける攻めの姿勢はこんなところにも表れている。また、今後はコロナ禍によるいろいろなニーズの変化にも応えていきたいそうです。
「飲食店ではなく、おうちで特別なビールを飲みたいという声も出てきています。経済的な不安から安くて美味しいものが飲みたいというニーズは依然として大きいです。キリンビールとしても、お客様に面白い・楽しいと思ってもらえる価値観やサービスを提供していくつもりですし、これからもお客様の声に寄り添えるような商品ラインナップを心がけていきたいです」
<取材・文/シルバア>