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まるでホラー?「彼女の手料理」を自慢してくる友人が隠していた“真実”

コラム

その料理を作ったのは…

 お願いのLINEをしてから、なぜかYさんから返信が来なくなりました。これまで一度もそんなことはなかったため、不思議に思った藤原さんが数回連絡をしてみると、Yさんからは「ごめん」というLINEが来ました。

LINE

「何がごめんなの?と思ったのですが、その後、Yくんから来たLINEで本当のことを知って驚きました。これまで僕にLINEで送ってきていた料理は、すべてYくんが作ったものだったんです。Yくんはどんなにすごい料理を作っても彼女に褒めてもらえなくて、誰かに褒めてほしい気持ちで送ってきていたらしく……」

 同棲前に料理や家事をやると張り切っていた彼女は、Yさんが料理上手なのを知ると、一切、料理を作ってくれなくなりました。さらに、料理をしても当たり前のように食べるだけで、感謝されたことは一度もないというのです。

「Yくんはそんな彼女との関係をあまり知られたくないがために、彼女が作ったと嘘をついていたようです。そんなこと気にしないのに……僕がストレートに褒めるから嬉しくて言い出しにくかったというのもあるみたいです」

料理の先生

 このなんとも悲しい嘘に藤原さんは同情し、後日、Yさんに家に来てもらい、手料理を振る舞ってもらいました。そのどれもが絶品で、意識せずとも「おいしい」と口に出てしまうほどでした。

「僕がおいしいおいしいと食べると、本当に嬉しそうで。その後、話を聞いたら、彼女との関係も良くないと知りました。同棲開始前後からYくんが彼女を大好きなのをいいことにワガママ放題しだしたらしく、徐々に見下されるようになって、家事もほとんどやらされていたようで」

 どんなに大好きだった相手でも、お互いを尊敬しあえる関係でないと付き合っている意味がないという話をすると、Yさんは何かを決意したいように帰っていったといいます。そして、後日、藤原さんのもとに彼女と別れたという報告が届いたのでした。

LINE

 今では藤原さんがYさんに料理を教えてもらっていて、カレーライスしか作れなかった藤原さんもどんどん料理の幅を広げているとのこと。そしてYさんは相変わらず美味しい料理を作り続け、頻繁にLINEで料理の自慢をしてくるそうです。

<TEXT/つる>

食べること、お酒、音楽、辛いものが大好き。30代になっても派手髪から抜け出せません。外に出るのはお酒が待っている時だけという姿勢を崩さず、今日も適当に生きています

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