「エロいとハゲる」は本当か。薄毛に関する都市伝説を専門医に聞いてみた
シャンプーはどれを使えば良い?
髪の健康のために重要なのは、健康的な生活を心がけ、あわせて洗髪で髪の毛と頭皮を清潔に保つことだという。
「1日1回シャンプーをして、余計な皮脂を洗い流すことが大前提です」
銘柄にもこだわるべきかと聞けば、それについても「製造元、販売元が、大手メーカーの製品は広く市場で購入され安全に使用されているはずなので大丈夫。使ってみて洗いあがりの違いなど好みで選べばよいです」とのことだった。
「男性用・女性用のシャンプーというのは、仕上がりの違いによる区別ですから、好きなものを使えばOKです」
要するに、常識の範囲内で健康に気を配ったうえで、頭皮を清潔に保っていれば薄毛の進行について、巷に溢れている情報に左右される必要はないというのである。薄毛に関する俗説は、多くがが迷信だったといえよう。
「エロいとハゲる」都市伝説は?
しかし他にも髪にまつわる俗説はある。一番有名なものが、「エロいとハゲる」というものだが、これも実際にはあまり相関がないのだという。
「性欲や勃起などの男性機能にはテストステロンという男性ホルモンが関与しています。男の薄毛は男性ホルモンの働きで進行するので、こういった俗説が存在するんだと思います。たとえばマスターベーションや性交の回数が多い人で、薄毛が進行しやすいという医学的に信頼性のある報告はありません」
また、筋トレや肉体労働も、薄毛の原因にはなることはないらしい。
「筋トレで筋肉中、血液中の男性ホルモンは増加します。薄毛の進行に影響を及ぼすほどの増加ではありません。一般人と比べてより多くの筋トレをしているであろうアスリートに薄毛が多いかといえば、特別そういうわけでもありませんよね」
油ものを食べすぎると薄毛になるという俗説もあるが、これに関しても迷信レベルの説だという。
「薄毛を進行させる特定の食材や栄養素があるわけではありません。バランスよく栄養を取っている限り、油ものも毛の敵ではありません。むしろ油もの含む、過剰な食事制限で短期間で体重を落とした場合、同時に抜け毛が増えるという例があるくらいです。偏食せず、適切なカロリーを摂取するのが薄毛予防の正攻法ですね」