ユニクロ、ニトリetc.「小売業界」の口コミから見る、社員の働きがい
三越伊勢丹、ワールドストアパートナーズ、ローソンの口コミ
【株式会社三越伊勢丹】
(企画、部長、在籍20年以上、男性)
強み:知名度があり、特に新宿、日本橋、銀座に店舗を有していることは強み。
弱み:コロナ禍で集客策や販売営業形態の変化を強いられている。商品や売場構成のインバウンド向けのところは、方向転換が急務。なかなかデジタル化が進展しない。地方店舗の収益力が弱い。
事業展望:デジタル化を早期にどのように展開するのかが鍵。小型店舗を増やす方策には疑問が残る。
【株式会社ワールドストアパートナーズ】
(販売、在籍10~15年、男性)
強み:歴史のある会社で年配のお客様からは好印象。
弱み:前年踏襲のアイテムが多いため、デザインは大幅に変わらず、面白味がない。
事業展望:今後、大きな進歩が見られるとは思えない。事業が縮小され、厳しさを感じる。
【株式会社ローソン】
(運営部、営業、SV、在籍5~10年、男性)
強み:商品力はまずまずあると思う。
弱み:他部署との連携が良くないと思う。例えば運営部長は店舗開発部を毛嫌いしている人が多く、どちらかと言うと開発部の人は言う事を聞かされている様に見えた。また本部が外部の評価を気にし過ぎて、オーナーに過保護になり過ぎている為に、本来は対等であるはずのオーナーと本気でぶつかれない。だから施策の徹底度がセブンイレブンやファミマに劣ってしまい、日販が上がっていかない。
事業展望:店内調理がようやく広まってきた。次の目玉は?と言えば無印良品の導入かと思うが、とにかくスピードが遅い。ファミマの看板替えの機動力を見ると、全てにおいて遅いと感じる。
このように比較すると、各社が扱っている事業・現場の特徴が見えてきます。「OpenWork」上のカテゴリ名も「小売(百貨店・専門・CVS・量販店)業界」と幅が広いため、各社の特徴も多岐にわたりやすいです。ただし、いずれも「一般消費者向け(toC)」の商材です。次の項目ではこれらのデータをもとに、さらに整理・要約していきます。
「小売業界」の特徴について
これまでのクチコミ・業績比較を踏まえると、「小売(百貨店・専門・CVS・量販店)業界」の上位企業は業態別に4タイプに分けられます。
・タイプ1:コンビニエンスストア(セブンイレブンジャパン・ファミリーマート・ローソン)
・タイプ2:アパレル企業(ユニクロ・ワールドストアパートナーズ)
・タイプ3:百貨店/総合スーパー(三越伊勢丹・イオンリテール)
・タイプ4:専門小売店(ニトリ・ヨドバシカメラ)
タイプ1のコンビニエンスストアは外出時の「ついで買い」が多い業態であり、外出頻度の減少の影響を受けやすいです。ただし、大手3社の中でも業績面にて明暗が分かれています。決算短信・決算説明資料・IRリリースを読み込むと各企業の違いが見えやすくなります。
タイプ2のアパレル企業においては基本的に「ユニクロ」一人勝ちの状況が続いています。ワールドストアパートナーズの母体であるワールドもアパレル大手といって差し支えないのですが、「外で見せるための服」の消費が落ち込んでいるなかで、「高機能で安価」を掲げるユニクロに対して違いを打ち出せていない状況です。
タイプ3について、「多品種を扱う業態」という観点でまとめています。百貨店は先述の「外で見せるため」の消費の落ち込みの影響を受け、販売方法の転換が迫られています。総合スーパーについては、コロナ禍でも消費が落ち込みにくく、直近の業績も黒字ではあります。
しかし、イオンリテールの場合、クチコミを見ると現場が「今後どうすべきか」をつかみかねている印象です。百貨店・総合スーパーのどちらでも今後の成長性については慎重に判断したほうが良いでしょう。
タイプ4の専門小売店については、扱う商材のジャンルを把握しておくことが大前提です。ニトリ・ヨドバシカメラの場合、いずれも創業者のカラーが出ている企業のため、創業者について調べておくことも有効でしょう。
いずれのタイプの企業を目指すにせよ、小売の場合は「現場のクチコミ」が多く出やすいので、OpenWorkをはじめとしたクチコミサイトを確認するのは有効な手段です。特に、今回取り上げた企業はクチコミ数が多いので、母数も十分にあり、偏りも緩和されています。
ただ、最も重要なのはご自身の性格・性質をよく知ったうえで決めることです。「万人にとって」良い企業・悪い企業というのは存在しませんが、「ご自身にとって」良い企業・悪い企業は確実に存在するからです。本稿がご自身の希望業界分析の際に少しでも参考になれば幸いです。
<TEXT/アラートさん(@blackc_alert) 協力/OpenWork[オープンワーク]>