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楽天と日本郵政が提携した苦しい舞台裏。ユーザーにメリットはあるか

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なぜ楽天は携帯電話事業に参入したか?

楽天モバイル

楽天モバイル©TAKA@P.P.R.S CC BY 2.0

 楽天が2019年10月にサービスを開始する狙いは明白でした。消費税が8%から10%に上がるタイミングで、格安携帯の優位性が印象づけやすかったのです。

 さらに、楽天には追い風が吹いていました。政府は電気通信事業法を改正し、端末料金と通信料金の完全分離を義務化。その施行日が2019年10月1日でした。政府が楽天の格安モバイルをバックアップしているとさえ見えました。2019年前半の楽天はオラついていた状態だったといえます。

 そんな楽天にNTTドコモを筆頭とした業界大手は戦々恐々としていました。ドコモが従来の2割ほど値下げした新料金プラン「ギガホ」を打ち出したのは、2019年6月。迎え撃つ姿勢を明確にしていました。

 しかし、楽天がこの2019年10月のタイミングでサービスを開始できなかったことで、消費者だけでなく関係者すべてが「総ズッコケ状態」となったのです。

菅政権の「携帯料金が高すぎる」に翻弄されて

 満を持して2020年4月に本格参入となりましたが、この年の9月に発足した菅政権が繰り返し、「携帯電話料金が高すぎる」と、料金引き下げに積極的な姿勢を見せるようになります。

 大手3社はそれに同調。ドコモが月額2980円で5分以内の通話無料という格安プラン「ahamo」を発表しました。格安を武器に業界に殴りこんだ楽天にとって寝耳に水の出来事。「聞いてないよ……」となったわけです。

 急ピッチで基地局工事を行い、米倉涼子さんを起用したCMをバンバン流して巨額の先行投資をした楽天。これから投資回収をしようと意気込んでいたわけですが、菅政権に翻弄されて「ズッコケ状態」となってしまいます。

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