幸楽苑vs日高屋、コロナ下で分かれた「人気中華チェーン」の明暗
リモートワークで郊外型の店舗が有利に
その成果が出始めました。2021年1月の幸楽苑の売上が前年同月比69.2%、日高屋が55.7%となりました。そして2月の幸楽苑が72.3%、日高屋が55.7%となったのです。この結果は2022年度の業績に明確にあらわれると考えられます。
もうひとつ、幸楽苑に追い風となっている要因があります。ロードサイドの出店形態です。緊急事態宣言以降、リモートワークの推進や外出を控える生活様式が浸透し、駅周辺の繁華街から人が消えました。このグラフは内閣府が提供する「V-RESAS」で埼玉県の人の流れを可視化したものです。
これを見ると県外、県内遠方者からの人の流れは減少しています。一方、市区町村内で地元の人たちが活発に動いているのがわかります。飲食店では、ロードサイドなどの郊外型の店舗が有利となったのです。いよいよ幸楽苑が日高屋を追い抜く日がくるのでしょうか。2022年度の両社の決算から目が離せません。
<TEXT/中小企業コンサルタント フジモトヨシミチ>