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NiZiUとのコラボで「5G競争」一歩リードへ。ソフトバンクの布石とは

ビジネス

ほとんどのコンテンツを無料で提供する訳

 また「Yahoo! JAPAN ID」を持っていれば、ゲーム以外のコンテンツは一部を除いて無料で楽しめ、かつソフトバンク以外のキャリアでも5G LABのサービスを利用できるという。サービス開始から1年を迎える5G LABの手応えについて臼倉氏は次のように振り返る。

「2021年中にはサブスクリプションモデルによる月額課金制でマネタイズしていく予定ですが、コロナ禍という状況や5Gの普及状況から、まずは認知度向上が先決だと考えています。ここ1年やってみて、好評いただいているのはアイドルグループのコンテンツですね。

 実は5G LABの中でもアイドルのラインナップは特に力を入れています。AKBやジャニーズといった国民的アイドルは熱狂的なファンが多く、非常に熱量が高い。舞台正面や側面、真上など複数のアングルへ自由にスイッチングできたり、“推しメン”だけを選んで好きなメンバーを追いながら映像を楽しめたりする『推しカメラ』など、ファンとってはたまらない機能が評判となっていますね」

5Gの大容量コンテンツを楽しむ環境を

ソフトバンク

 しかし一方で、ファンの熱量も高く、サービスに対しての厳しい意見をもらうこともあるという

「5Gを基本とした大容量の通信を必要とする映像コンテンツゆえ、4Gでご覧いただくとスペックの問題で快適に楽しめない場合もあり、まだ5Gのスマホを持っていないユーザーの方から意見を頂戴することが多いです。一方で5G LABのアイドルコンテンツを見るために5Gへ乗り換えるといった行動変容にもつながっていて、それだけファンの方の期待値も高いと常に意識しています。機能に関しても『もっとこうしてほしい』といった要望もいただいているので、参考にしながら、機能拡張も検討したいと思っています」

 まだまだ5G LABの大容量コンテンツを楽しむ環境が整っていないユーザーが多いことが、直近の課題のようだ。ゆえに「まずは有料化よりも、快適に利用できる5G普及促進が最重要と捉えている」と臼倉氏は言う。

「例えばVRコンテンツにしてもVRゴーグルを利用した視聴のほうが立体的で迫力ある映像を楽しめますが、一方でVRゴーグルが必要となるため、普及という点では課題がある。弊社が提供している『VR SQUARE』では、VR動画をVRゴーグルを利用せずに楽しめるコンテンツがあり、課題解消のために様々な取り組みをしていきながら、VR環境の普及ひいては5Gコンテンツの訴求をしていきたいと考えています」

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