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商社マンから漫画ベンチャーに。「大丈夫、失敗は挽回できる」

ビジネス

試行錯誤で地道な積み上げを続けた

 そこで同社は、“ネット広告でユーザーを集め、作品を読んでもらって売上を上げること”、“そこからさらに作品を増やすことで、ユーザーを定着させていくこと”の循環づくりに注力した。しかし、作品も決して順調に集まっていたわけではないという。

「少ないコンテンツ、少ない広告費から始めて、売上が少し伸びてくることでコンテンツがもう少し取れるようになって……と、わらしべ長者のような形で積み上げてきました」

 試行錯誤を続けながら、まんが王国のサービスを拡大してきた吉田氏だが、当初は失敗もあったという。

「不用意な発言で巨匠の漫画家の先生を怒らせてしまい、出入り禁止になったことがありました。“今後、どんな作品を作ったらいいか”といった議論になったときに、私がユーザー視点で意見を言ってしまったのですが、それは先生から見たら漫画の会社のプロの見解としては不十分なものだったようで……

失敗は誰でもある。目の前の仕事を誠実に

ビーグリー

「当時はこの業界に入ったばかりだったため、私の業界に対する理解が不十分だった点もあると思いますが、先生との温度差のような部分をうまく調整できず、ご不快な思いをさせてしまったようです」

 冷や汗ものの失敗を経験したものの、長く漫画に関わる仕事を続け、まんが王国のサービスも拡大していったことで、その後に関係を修復するチャンスを作ることができたと吉田氏は話す。

「自分のちょっとした言動が原因で人に怒られたり、取るべき契約が取れなくなったりといったことは誰にでも起こりうると思います。でも、誠実に仕事を続けていれば、挽回するチャンスはおのずと巡ってきます。だからあまり他人の目を意識し過ぎずに、『失敗は誰でもするものだ』という心持ちで目の前の仕事をこなしていけば大丈夫だと思います」

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