門脇麦、一番苦しかった時期を抜け出せた「フランス人演出家の一言」
恋人との連絡は、生存確認くらいで
――大病を経験してよくなって、「よし頑張るぞ!」という気持ちのときに、さらにいい出会いがあった。
門脇:そうですね。前向きな時期に出会えたのもまた恵まれていたのでしょうね。「仕事を、人生を楽しんでいいんだ」と。この仕事を始めてから、なぜか楽しんじゃいけないと思い込んでいたんですが、そこから解放されました。
――映画の華子は、結婚がすべてと思っていましたが、門脇さんは結婚には興味がないとか。結婚といったことは関係なしに、惹かれがちな男性のタイプはありますか?
門脇:適度に放っておいてくれる人が良いなと思います。あとちゃんと自分の世界や趣味を持ってる人が好ましいです。「今日何してるの?」とか「会いたい」というワードにプレッシャーを感じてすごく苦手で…。そんな連絡する暇もないくらい好きなことをやっていてほしい。連絡も生存確認くらいでいいです。
私が自分の趣味に没頭していて忙しくしてても、そういうのを快く送り出してくれて、週1回くらい、一緒にご飯を食べながら、お互いの趣味とか、楽しかった出来事なんかを話しながら、楽しくすごせる関係が理想です。まあ、なかなか難しいでしょうね(苦笑)。
家族には仕事は絶対に肯定してほしい
――その週イチでも会いたくなるというのは、やっぱり波長になってしまうのでしょうか。
門脇:自分と全然違う感覚を持っている人がいいなと思います。共感してもらうこと、することにはあまり重きを置いてないかもしれません。ひとつのことを話すときに「そんな考え方があるの!」と驚きがある人のほうが好きです。テレビを見ていたりして、意見が全然違ってもいいです。ただ、感覚は違っても、「親を大切にする」とか大事なところの価値観は同じだと良いなと思います。
――共感は友達に求める?
門脇:あと家族ですね。特に仕事に関しては絶対に肯定してほしい。私は出る側の人間ですから、批判されるのも仕事のうちですが、身内には嘘でもいいから絶対に肯定してほしいし、味方でいて欲しいです。
――家族には味方でいて欲しいですね。本作での華子は、家族との関係が大変そうでした。最後にひと言、メッセージをお願いします。
門脇:『あのこは貴族』は、己に課した呪縛からの解放の映画だと、私は感じました。みなさんも何か感じ取っていただけたら嬉しいです。
<取材・文・撮影/望月ふみ>