門脇麦、一番苦しかった時期を抜け出せた「フランス人演出家の一言」
2011年に女優デビューを飾り、今年は活動10周年となる門脇麦さん(28)。大好評のうちに幕を閉じた大河ドラマ『麒麟がくる』への出演など、演技派女優として、順調に階段をのぼっています。
2021年2月26日公開の主演映画『あのこは貴族』では、都会の裕福な家庭に生まれ、結婚こそが幸せという価値観を持って育った主人公の華子が、やがて自分自身の人生を模索していく姿、変化を演じています。今回は、門脇さん自身にあった、女優業に対する姿勢の変化を聞きました。また、私生活への質問では、独特な恋愛観が露わに?
知らずに自分をカテゴライズ
――華子には、最初どんな印象を抱きましたか?
門脇麦(以下、門脇):華子のような環境で育ってきた友人はわりとたくさんいます。あくまでも私が見てきた方たちについてですが、どことなく品があり、余裕が感じられる。だから華子は想像のつかない遠い存在ではありませんでした。
――結婚がすべてだと思っていた華子ですが、その結婚は憧れ通りにはいかず、中盤以降、自分自身を見つけようともがき始めます。どんなメッセージを受け取りましたか?
門脇:華子という女性を主人公にしてはいますが、女性に限らず、人は生まれ育った場所や環境、仕事、出身校といったことで、知らず知らずのうちに自分のことをカテゴライズしているってことあると思います。
学校や結婚など、華子は両親が敷いたレールの上を歩かされてきたかもしれない。でも、そこを実際に歩いてきたのは華子です。外れることなしに。大人になればなるほど、敷かれたレールの上を歩いたままのほうが楽ですよね。ということは、歩かされているようでいながら、その上を歩くことを選択してきたともいえる。
でも、自分を見つめ直したり、人との出会いや経験によって新しい自分を見つけてあげたりすること、認めてあげること、自分のことを許してあげることで、そこから外れることが可能になり、解放されていく。そうした人間の物語だと思いました。
ひとりで「赤ちょうちん」も全然平気
――カテゴライズでいうと、門脇さんはどうしても「芸能人」として見られることが多いと思います。意識は?
門脇:あまりないですね。
――意識させられることはあるのでは?
門脇:でも撮られたら恥ずかしいことはしないとか、本当にそのくらいです。周りから意識させられることはあるかもしれないけど、気にしないですね。今はこの状況ですから、飲みに行ったりもできませんが、もともとはひとりで「赤ちょうちん」に行って、隣の方と仲良くなって顔馴染みになっておしゃべりするとか、よくしていました。他人に見られないようにといった意識はないです。