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漫画『夜王』のモデルになった伝説のホストに聞く「若者が飛躍するための条件」

暮らし

秀でているものがないからこそ…

流星さん

 当時のホストは素肌に真っ赤なスーツ、その上に毛皮のコートというギラギラとしたファッションが主流の時代。その中で流星さんは、ビジネススーツを少しだけホストに寄せて着用していた

「流行は乗るより自分で作るほうがカッコイイという思ったからです。まぁ、トレンドについていけなかったというのもありますが(笑)。実際に、派手なホストの中でシンプルな格好の私は、逆に目立ち、お客様から指名してもらえることが少しずつ増えました。すると、他のホストも私のファッションを真似しはじめたんです。

 私は今も昔も、いい意味で常識人、悪い意味で芸がありません。つまり特別、秀でているところがないからこそ、発想の転換や行動に努めました。その結果がシャンパンタワーの考案にもつながっています。これはビジネスの世界でもきっと同じ。お客様に喜んでもらうには、自ら新しいアクションを起こすことが大切だと思います」

転機になったお客様3人組の来店

 周囲に流されず目の前のお客様に楽しんでもらえる答えを探す、という考えは接客にも表れている。流星さんがホストになったばかりのとき、雑誌広告に載っているプロフィール写真を見て、ある3人組のお客様が指名で来店したという

「彼女たちは新宿2丁目のバーで働くニューハーフの方々でした。席に着くなり『私のほっぺにキスしなさい』とサインを出されて(笑)。当時はまだ大学生でニューハーフの方と接した経験がなかったのでびっくりして、とっさに断ってしまったんです。そうしたら、リーダー格の方に思いっきり怒られました。

 けれど私はそこで諦めず、彼女たちに『指名してよかった』と思ってもらえるよう、必死に接客をしました。そんな私を見て最終的には、気に入っていただき、初めての指名をニューハーフの方から頂くことが出来ました。

 その後、ニューハーフ界隈で話題になったのでしょう。新宿2丁目の方からたくさんの指名をいただくことができました。もちろん身体の関係はありませんが、一生懸命さが心を動かしたのだと思います

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