漫画『夜王』のモデルになった伝説のホストに聞く「若者が飛躍するための条件」
23歳のときシャンパンタワーを考案し、一躍有名になった伝説のホスト・流星さん(47歳)。その後、28歳でホストクラブの経営者になったり、マンガ『夜王』のモデルと称されるなど、ホスト界を語るうえで欠かせない存在となってる。
長らく経営に専念していたが、全事業解散を期に40歳のとき現役ホストに復活。社長も務めているいるホストクラブ「TOPDANDY V(トップダンディー ファイブ)」では勢いのある若手を抑え、2020年の年間ナンバーワンに輝いている。
そこで今回は経営者として、現役ホストとして、数多くの若手人材を育成している流星さんに「ビジネスにおいて若手が活躍するために必要なことは何なのか」、自身の経験を踏まえアドバイスをもらった。
厳格な家庭で育った
なぜ40歳にして、現役ホストに復活したのだろうか。
「28歳が定年と言われるこの世界で、僕が結果を出したら、たくさんの人に夢を魅せるだけでなく、年齢を言い訳にさせられなくなるからです。必ず自分は復活すると信じ、悪い時も歴史に残し続け、復活物語という将来の教育指針へと積み重ねるためでもあります」(流星さん、以下同)
父親は一流企業の会社員、母親は公務員という厳格な家庭に育った流星さん。
母親が考える理系就職に向けて、自分の意思がないまま大学へ進学。自ら「卒業したら当然一般企業に就職するつもりだった」と話す彼に、転機が訪れたのは大学2年生のときだった。
起業資金を集めるために体験入店
「自分なりに魅力的に映る仕事を全てやってみようと、ホテルマンやバーテンダー、モデルなどいろいろなアルバイトをしました。しかし幅広く働いた結果、どれもが中途半端。同期に抜かれても何も思わない。
言われたことしかできない、いわゆるクビ対象者でした。そんな中、ふと『経営者になりたい』と思ったんです。経営学部に在籍していたというのもありますが、ひとまず起業資金を貯めるため、短期間で稼げそうなホストに興味を持ちました」
とはいえ、真面目に育った流星さんにとって夜の仕事は未知の世界。アルバイト先の友人に紹介してもらったホストクラブに体験入店後、さらに3回もの送迎付き見学を経て「思っていたよりも危ない世界ではないかもしれない」と入店を決意する。