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「出演予定がゼロに」人気マジシャンが”コロナ禍の苦境”で抱く野望

暮らし

コロナの感染拡大で予定が全てキャンセルに

ハマック柳田さん

 その後も各地で活躍していたが、新型コロナの感染拡大により、状況は一変。激震が走ったエンタメ業界の例に漏れず、ハマックさんも大きな影響を受けることになる。

「緊急事態宣言が出された2020年の4月は予定されていたイベントがすべて中止。まったく仕事がなくなってしまい、本当にビックリしました。たまに近所の公園に出かける以外は、ほぼ家で過ごす日々。眠れないことも多かったですね」

 およそ3か月にわたる空白期間を経ての初仕事は、としまえんに設置された自身の劇場「Funny Psychic LIVE!」でのショーだった。

「2019年から1年限定で開設させてもらった劇場なんです。久しぶりにステージに立たせていただいたときは、とても新鮮な気持ちになりました。当時はまだまだ休園している娯楽施設が多いなか、先駆けてショーをやらせていただき、感謝の想いしかありませんでしたね」。

マジックのニューノーマルを目指す

 としまえんが閉園する前日の8月30日までショーを行ったハマックさん。最後の3日間(8月28〜30日)は劇場を飛び出し、としまえん広場で野外ライブを実施。1年間の公演に幕を下ろした。

「ショーの仕事がなかった最終日(8月31日)にも、としまえんに足を運びました。日本最古の遊園地が営業を終えてしまう寂しさはもちろん、さまざまな困難を乗り越えて、1年間の仕事を無事に全うできた達成感があり、涙が止まりませんでしたね」

 今もなお新型コロナウイルス感染症の影響でソーシャルディスタンスが求められ、ショーの開催が制限されるなか、YouTubeチャンネルを開設、さらにアプリもリリース。なんとか苦境を打破しようとしている。

「まだまだ暗い世の中ではありますが、少しでも多くの方に楽しんでもらえればと思います。今後の目標はあくまでもアメリカ、中国に次ぐ世界進出ではありますが、時代にあったマジックのあり方も模索していきたいです

<取材・文/白鳥純一>

【ハマック柳田】
東北地方でのTVタレントの経験を生かし、東京へ進出。1999年、ディズニーリゾート「イクスピアリ」にて世界の一流マジシャンと連夜共演など輝かしい実績を持つ。最近ではカードマジックアプリの監修も行う。公式サイト「ハマック柳田 Official Web Site」やYouTube「ハマちゃんのマジ笑!珍道中」も更新中。
Twitter:@hamack809

エンタメ関係のイベントプロデューサーを経て、ライターとしての活動を開始。 編集業務のほか各企業のメディア運営などに携わる

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