コロナで眠ってる「スーツの寿命」を延ばすコツ。黄ばみ、カビが発生する前に
クリーニングはどうするべきか
着る頻度が下がることで「クリーニング」についても頭を悩ますことになりました。これまでスーツを1回着るごとにクリーニングに出すなんてことはありえませんでした。というのも、クリーニングは生地に負担が掛かるため、スーツの寿命を縮めてしまうからです。とはいえ、目に見えないレベルの汚れが付着した状態で、クローゼットに戻すこともカビの原因となってしまいます。
そこで私は季節によってメンテナンス方法を変えています。湿度が高い季節は、次の着用機会が見えない場合に限り、1度着ただけでもクリーニングに出すことにしました。
一方、空気が乾燥している時期は、ブラッシングのみしてクローゼットに保管することに。そして毎月1回、クローゼットからスーツやジャケットを出し、風通しの良いところに置くようにしています。自粛期間が明けても、今後はスーツの着用頻度は減っていくかもしれません。が、冠婚葬祭や大事な商談など、スーツ着用の機会がゼロになることはありません。シチュエーションに合わせたメンテナンスが必要なのです。
シャツの襟裏はこうして解決
ノーネクタイで白いワイシャツを着たとき、襟裏の状態は意外と目立ちますよね。そのため襟裏の黄ばみには普段から注意している人も多いはずです。ところが、「久しぶりにクローゼットから取り出した白シャツの襟裏がなぜか黄ばんでいた」という経験はありませんか。
ちゃんと洗濯してキレイにしたはずなのに……。原因は繊維の奥に残ってしまっていた「皮脂の汚れ」が酸化したものだと言われています。基本的にシャツは、1回着たらすぐに洗いましょう。このとき、「弱アルカリ性の洗剤」がおすすめです。皮脂や皮脂による酸化を中和してくれます。
クローゼットから取り出したときに、黄ばみが付いていた場合の対処法ですが、私はクリーニング屋の持ち込み、相談してコースを決めています。悩んだ際はプロに頼むのが一番正しい選択肢のはずです。自粛が明けたとき、再び今まで通りのピシッとしたスーツに袖を通すためにも、時間があればクローゼットを確認してみてはいかがでしょうか。
<TEXT/服のコンサルタント 森井良行>