学歴を気にしすぎて失敗続き。対人恐怖症になった29歳男の告白
どんな人でも恋愛で失敗の1つや2つくらいしたことがある。しかし、その原因が自分にあるか、他人にあるかは気づきにくいものだ。なかには、自意識をこじらせてしまって、失敗の原因を相手に求めてしまう人いる。
「俺の学歴が中卒じゃなきゃ、女なんて選び放題だったよ」
こう話すのは5年前の失恋以来、対人恐怖症になった、ニートの高安一彦(29歳・仮名)さん。「中卒という学歴のせいで、恋愛がまったく上手くいかなくなった」と嘆く彼に、詳しく話を聞いてみた。
コンプレックスが過度に育った背景
誰でもコンプレックスはあるだろう。しかし、高安さんはなぜ、対人恐怖症にまでなってしまったのか。事の発端は中学時代に経験したイジメだったという。
「小学校まではいじめる側だったんだけどね。複数で来られたら、さすがに俺だって勝てない。中学で上級生からイジメられて、家に引きこもるようになった。高校にはなんとか進学したけど、人間関係が上手くいかなくてすぐに辞めちゃったよ」
中学でいじめを経験してから、人間関係が上手くいかなくなった高安さんは、3か月で高校中退し、土木の仕事に就く。しかし、そんな彼を待っていたのは、厳しい現実だった。
学歴のせいでどこの仕事も門前払いに
「高校を辞めて仕事を探したけど、中卒ってだけで、どこもかしこも門前払いにされた。運良く見つけてもパワハラだらけの肉体労働。でも俺はもともと、医者とか弁護士とか人の役に立つ仕事をしたかった。
だから、なんでこの俺が人にこき使われて肉体労働なんかやっているんだろうって思ってた。それに、どこもかしこもバカばっかりで、長く続く職場はなかったな」
人間関係が上手くいかないのは学歴のせいではなく、プライドの高さが原因のようにも思えるが……。「自分は他の中卒の奴らとは違う」とでも言いたげな態度が、高安さんの言葉の端々に滲む。その後、肉体労働の職を転々とする。不幸なことに、腰椎のヘルニアを発症し、手術を受けることになる。