サウナにマスクは必要か?コロナ禍の「サウナ道」を医師が解説
サウナに入る前に湯船に浸かろう
多少ガマンしたほうがより質の高い「ととのい」が得られる気もするが、無理は禁物である。特に、冬場はヒートショック(=急激な温度変化によって失神や脳梗塞などを引き起こす現象)を引き起こす危険があるので、いきなり100度近い高温サウナに入るのは、避けたほうが無難。
「まずは暖かい湯船につかり、体を温めてからサウナを利用しましょう。サウナ入室時も上段を避け、下段から体を慣らすようにしてください。徐々に身体を温めてから、上段に移りましょう。急激な血圧変動の観点からサウナを出た後、すぐに水風呂に入ることもおすすめできません。
サウナを出たあとは、いきなりドボンと水風呂に入るのではなく、手足にの末端から少しずつ『かけ水』をして入ってください。急激な血圧変動を防ぎます」
サウナにマスクは必要か?
特に、飲酒時のサウナは厳禁。「血管拡張と血圧低下が同時に起こり、意識を失う可能性があります。生命を失う恐れもあり、非常に危険です」と、沖医師も語る。コロナで飛沫に細心の注意を払わねばならない昨今、サウナでもマスクをつけたり、タオルなどで口を覆うべきなのだろうか。
黙って静かに呼吸をしていれば、それほど問題はないように思えるが……。
「サウナ施設の入り口で発熱やせき、鼻水など呼吸器症状がある人をしっかり除外し、なかに入れないこと重要だと思います。室内で距離を取って会話もしないのであれば、マスクの必要性はそれほど高くないでしょう」
サウナでコロナを防ぐことはできないが、サウナによる健康効果はすでに多くの論文で証明されている。無理をしすぎずマナーを守って、楽しいサ活(=サウナ活動)を送りたいものである。
<取材・文/西谷格 取材協力/オルタスジャパン>
【沖 一匡】
総合診療医。東京都生まれ。2007年に琉球大学医学部卒業。2014年には北部ウガンダ医療支援事業に参加。現在はやちよ総合クリニックに勤務