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亀田の柿の種、新黄金バランスで目指した「脱・親父のおつまみ」

ビジネス

黄金比率を変えるきっかけ“国民投票”

亀田製菓

2019年に消費者が思う「柿の種」と「ピーナッツ」のベスト比率を探るために行った国民投票キャンペーン。結果は「7:3」が最も多くリニューアルを検討するきっかけとなった

国民投票を実施した当初は『まずはお客様の声を聞いてみよう』といった認識でした。リニューアルするかどうかは全くの未定でしたが、投票1位が『7:3』となり予想以上に投票率が高かったんです。

 さらに2位に『8:2』が来て、当時の配合比率の『6:4』がまさかの3位になったことで、正式に比率変更へ向けた取り組みがスタートしました。賞味期限が担保できるかどうかなど課題も多かったですが、テストや分析を繰り返してひとつひとつ課題をクリアし、2020年5月に新黄金比率である『7:3』へリニューアルすることができました」

 それだけでなく、「定番御三家」と呼ばれる、醤油味・わさび味・梅しそ味がある一方、近年は女性をターゲットにしたカラフルで写真映えするような商品や期間限定の味、コンビニ限定の商品などを展開している。

新たなファン獲得に向けた商品開発

 新たなファン獲得に向けた商品開発でどのようなことを心がけているのだろうか。池ノ上氏は「亀田の柿の種ブランドの中でもそれぞれの商品ごとにターゲットを設定し、ターゲットにあった商品開発を進めている」とし、次のように説明した。

亀田製菓

2021年2月15日発売の「やみつき塩だれ味」。塩味の亀田の柿の種は、過去の期間限定商品の中でも安定した人気を誇り、30~40代の女性ユーザーが獲得できた商品になる。「塩だれ」という、おやつ・おつまみどちらにも使える味種でユーザーの拡大を目指す

「発売からの55年間で変わらないのは、常にお客様の声を聞き、進化を止めずにいること。先に話した黄金比率の変更もそうですが、時代の変化に応えられるような商品を世に出そうと意識していますね。

 例えば、女性のお茶請けやコーヒーのお供といった“おやつ”シーンの獲得を目指した商品で言えば『亀田の柿の種 濃厚梅ざらめ』や、30~40代女性ユーザーのおやつ・おつまみ需要獲得を目指した『亀田の柿の種 やみつき塩だれ味』。健康感度の高いお客様に向けた『減塩亀田の柿の種』。

 これらの商品は従来の亀田の柿の種のメイン購買層ではない、新たなファン層拡大を狙った形で出した商品となります」

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