東大卒・元ゴールドマン社員が語る、30代で独立したわけ「危機感があった」
面談は30分ずつで20人くらいと
斎藤さんは東京大学工学部から同大学大学院工学系研究科に進学。2007年に卒業後、外資系金融という厳しい環境に飛び込んだ理由は何だったのか。
「そんなにかっちりした志望動機みたいなものはなくて、練習で受けたら、受かったというのが正直なところです(笑)。面接は、部署(チーム)単位であるのですが、30分ずつ、同じチーム全体で20人くらいと面談をしました」
面談では「100枚の金貨があって5人の盗賊で分けるとき、多数決で最も得する提案の仕方(概略)」を30分で考えるといった発想力・思考力を試される質問もあったという。
「入社後は、結果にコミットすることを第一に全力を出すことを心がけました。もちろん、社員たちで西麻布に集まって遊んだりもしましたが、仕事で結果を出すことが大前提でした。ただ、私が入社した翌年にリーマンショックがあり、急に飲みに行く回数が減ったり、1日で知り合い十数人が突然消えたりすることもありました。世間の景気の動向によって、財布の紐のゆるさは違いますね(笑)」
GSから独立して始めた3つの柱
では、実際の起業内容はどんなものなのか。主に、投資支援プラットフォーム構築「Cryptact」として、投資SNS「アイデアブック」、さらに「仮想通貨損益計算」事業という2つの柱があるという。
「そもそも投資には4つのフェーズがあり、情報収集、分析、取引、ポジション管理と呼ばれています。ただ、これを個人で全部するのは難しいので、それをお助けする便利ツールとして始めたのが『Cryptact』というプラットフォーム構想です。
「Cryptact」は年間8000円から仮想通貨・暗号資産の損益計算、資産管理、確定申告のサポートといった投資をワンストップで管理できるツールだ。
「昨年リリースしたサービスが投資SNS『アイデアブック』です。未経験者からプロまでが投資アイデアを自由に投稿し、ディスカッションすることができるツールで、先ほどでいう情報収集のフェーズにあたります。発想の原点にはGS時代のチーム内での雑談があったりします。こういう雑談から意外と投資のアイデアが生まれたりするんです」
第2の「仮想通貨損益計算」事業は、2020年に急伸したビットコインやリップルといった仮想通貨の取引者に目をつけた事業である。
「一定以上の金額を投資している副業投資家や、個人投資家のみなさんは毎年末に確定申告が必要になってきますよね。こちらはポートフォリオ管理、確定申告のサポート等までのサービスを提供しており、特に年末、年度末には想定以上の反応はあります」