“日本一”SBホークスのオンラインストア「コロナでも過去最高益」秘訣を運営に聞く
これからスポーツビジネスを目指す人へ
「ファンのなかには『価格が安いほうが嬉しい』という方も多くいらっしゃると思いますが、価値ある物を適正価格で提供することもビジネスの本質。一般的な価格帯のアイテムに加え、高付加価値のアイテムを企画し続けることも大切だと感じています」
1年間の延期が決まった東京五輪も開催が予定される2021年。社会のなかでスポーツの存在感が一層高まっていくことになるだろう。それに伴いスポーツ業界に関心を持つ学生や、転職志望者も増えることが予想される。「自身もスポーツが好きだった」と語る松本氏に、この仕事のやりがいを聞いた。
「スポーツは、人の心を熱くします。その瞬間に関わり、サービスを提供出来ることは、この職種ならではの魅力と捉えています。一方で、スポーツはいつ『ホットな瞬間』が来るのか分からない。常にアンテナを張り、何かあった時にはすぐにアクションを起こし、売り上げに繋げないといけない点が大きなチャレンジです。
私たちの仕事は、『ファンの心理を理解すること』が一番大切です。スポーツが好きだからこそ、さまざまな企画や商品を打ち出せる。これは、仕事を進めるうえでも大切な要素として捉えています。弊社の場合には、『スポーツが好きだ』ということを、採用時の条件に設けているんですよ」
来シーズンは「擬似体験の提供」を重視
間もなく新年を迎えるが、来シーズンに向けた企画が早くも動き出しているという。松本氏に抱負を尋ねた。
「私たちの社名である『FANATICS』(ファナティクス)には、『FAN』(ファン)という単語が入っています。『いかにファンを大切にするか』『ファンを熱狂させるか』を、弊社としてはとても重視していますし、その部分を我々が担っていると自負しております。今後も、ファンの皆さんが熱さを感じる瞬間や記録をタイムリーに提供していきたいです」
冬の訪れとともに、新型コロナウイルスの感染者は増加傾向にあり、来シーズンのプロ野球も、ウイルス感染対策や、入場制限があるなかでの試合運営も考えられる。
「『コロナ禍』が続くという前提だと、『球場に足を運べないファンの方に、どれだけ疑似体験を提供できるか』という部分を重視したいと考えています。2020年シーズンは、球団OBの解説を聞きながら一緒に観戦できる『ZOOM観戦』キャンペーンを行いました。
そして、新規顧客に対して来年も引き続きオンラインショッピングを利用していただけるように、メルマガなどで情報やニュースを発信して興味を持ち続けてもらうことです。これからも付加価値があり、ファンの皆さんにも満足していただける企画を考え、実現させていきたいです」
<取材・文/白鳥純一>