24歳起業家、光触媒コーティングで「ウイルス不活性化」を目指す理由
仕事とは人のために働くこと
オフィスや飲食店などの除菌・抗菌加工をはじめとする感染対策が徹底されるようになり、世の中の衛生意識が日に日に高まっている。そんな現状について「あらゆる組織や施設にとって、心地よく安心安全な環境を提供することが求められるようになりました」と、小田氏は述べる。
「私たちの事業はまだ通過点ですが、心地よく、除菌・抗菌を実装できるソーシャルグッドな環境づくりを目指したいです。そのためにも光触媒の技術を展開して、世間の人たちが抱く嫌なプレッシャーや不快感をなくしたい。というのも、環境や安全への配慮は、もちろん今の世の中では必要ですが、それが義務になってしまうと、困る人もなかには出てきてしまいます。今までの開発コストと同じような値段で、より良いものを提供できるのが光触媒の良いところなので、もっとこの技術を広めていきたいですね」
最後に、同世代の20代のビジネスマンに対してのメッセージをもらった。なかなか仕事に前向きになれない人も多いだろうが、小田氏は「仕事とは人のために働くことに尽きる」と語る。
「私は結婚をしていて、子供もいるのですが、家族のためだったり、誰かのために動いたりするのが、人間の原動力になると思っています。その意味で、最も影響を受けた経営者は父だったと思います。おそらく仕事では大変なことや苦労も絶えなかったと思いますが、そんななかでも家庭との両立をしていました。みなさんも身近な存在ではなくてもいいので、その人のために動いている誰かを見つければ、きっと仕事にも熱が入ると思います」
ONEという会社の名前は、「Opening New ERA(オープニングニューエラ)」の頭文字から取っているという。今回のコロナウイルス感染症という出来事で、時代が変わろうとしているが、小田氏とONEがどうやって新しい時代を切り拓いていくのか注目していきたい。
<取材・文/bizSPA!取材班>