掃除のプロが教える「家電製品を掃除するコツ」。エアコンは室外機周りを!
【電子レンジ】庫内の掃除は「自動洗浄機能」がカギ
電子レンジは、ガスと電気を問わず、庫内の汚れをしっかり清掃しておく必要があるという。「食材のカスなどが付着していると、電波が乱れて余分な電力を使う原因となります」と言うのは、本多氏。
「食材カスは炭化して最終的に破裂するか発火するなど故障の原因になりますので、充分注意してください。柔らかい布で水拭きするか、汚れが落ちにくい場合は中性の台所用洗剤を希釈して使いましょう。付属しているグリル皿は使用のたびに中性の台所用洗剤で洗うことが大事です。
食材や調味料が付着していると、コーティング剤を傷つける原因となります。ただし、コーティング剤を傷つけるので、研磨剤を含んだ洗剤や金属たわしなどは使わないでください」
流行りのスチームレンジには、庫内を蒸気で洗浄してくれる「自動洗浄機能」が備わっている機種も多い。それなら清掃もラクチンだが、「取扱説明書を熟読して正しく活用してみましょう。メーカーによっては、お手入れの時期が近づくとお知らせしてくれる機能がついた製品もあります」とのこと。
【洗濯機】取扱説明書を熟読すべし!
洗濯機は、洗濯脱水槽にこびりついた洗剤のカスなどが原因で黒カビが発生する。黒カビが発生すると、洗濯した衣類にまとわりついたりするため厄介だ。しかし、お手入れの際には注意点がいくつかある。代表的な誤った例は「界面活性剤が含まれた洗浄剤の使用」だという。
「水に馴染みやすい分子と、油に馴染みやすい分子を併せもつ界面活性剤入りの洗剤は、非常に強力な洗浄力を有しています。工業用として厨房設備や調理器具の洗浄にはその性能を遺憾なく発揮すると思いますが、洗濯槽のお手入れに活用することは御法度です。一般的に界面活性剤は泡立ちが多く、洗濯脱水槽のお手入れに活用すると泡があふれてしまい、本来浸入してはならない部位にまで泡が入り込み故障や水漏れなどの原因となります」
界面活性剤が含まれた洗浄剤の入手方法は難しくないため、「洗浄剤なのだから」とつい活用してしまう人も少なくないのでは……。
「また、洗濯の際に衣類から出る糸くずやゴミなどを受け止めるフィルターや、乾燥の際に衣類から出るリントなどを受け止めるフィルターは、洗濯・乾燥のたびにお手入れすることが大事です。脱着方法はむずかしくないと思いますが、機種によって糸くずやゴミに触れることなく捨てることができるフィルターもありますので、取扱説明書を確認してみましょう」
水道の蛇口から洗濯機に接続される給水ホースにもフィルターが備わっている。水の出が悪いなどの不具合が生じる場合、ここの汚れが原因として考えられるそうだ。
「一方で、放置されやすい部分の代表格として挙げられるのが排水ホースではないでしょうか。排水ホースには洗剤の残りカスや衣類の汚れに繊維のクズなどが蓄積されます。最悪の場合は詰まって水漏れの原因となるでしょう」
また、機種によっては、黒カビの発生を抑制するための運転コースが備わっている洗濯機もある。「60℃にも達する蒸気を用いて洗浄するため、洗濯脱水層だけに留まらず本体内部の隅々までお手入れしてくれます。蒸気を用いた洗浄となりますので市販の洗浄剤を一切使わず、非常に経済的です」。