社外取締役と「顧問」の違いは?意外と知らない会社の組織の話
企業は相次いで冬のボーナスカットや給与減を発表するなど、2020年は会社と労働者という関係を露骨に突きつけられた1年となった。
しかし、よく考えてみると、給与や会社組織、雇用の仕組みについて意外と知らずに働いていないだろうか? そこで、若いビジネスマンのため、「会社へのギモン」ばかりの“社畜太郎さん”とともに「会社の基本」をプロに学んでいきたい!
会社くん…日本生まれ、日本育ち。会社の仕組みを知り尽くす。労働者によりよく働いてもらうため、研鑽(けんさん)を重ねる日々を送っている
社畜太郎…会社の待遇にやや不満がありながらも「転職するほどでは」という意識低い系会社員
会社って誰のモノなの?意外と知らない組織の話
財務体質が良い会社には「内部留保」(前回記事参照)と呼ばれる蓄えがあるが、内部留保という会社の埋蔵金、一番偉い社長なら自由に使えるのかというと、実はそうではない。
太郎:会社って結局のところ、誰のモノなの?
坂田岳史(中小企業診断士・以下、坂田):会社は基本的に株主のものです。阪神タイガースで例えると、監督=経営者と思いがちですが、阪神タイガースの運営会社の大株主は阪神電気鉄道です。ですから阪神タイガースは、阪神電鉄が所有していると言えます。
太郎:タイガースはファンのものというのは建前なんですね。
そもそも取締役会って何をしてるの?
会社:ちなみに重要な決議事項は取締役会で決めるから、仮に太郎が社長になっても会社を私物化できるわけじゃないよ。
太郎:元日産自動車CEOカルロス・ゴーンのように告発されるのか。そもそも取締役会って何をしてるんですか?
安藤広大(組織マネジメント専門家・以下。安藤):会社の運営方針や経営戦略について決める場ですね。業績の報告や共有、取締役会でしか決められない決議事項を扱います。例えば、私が代表取締役を務める組織コンサルティング会社「識学」では、多額の予算を使う施策の賛否やM&Aの決議など、取締役会でしか決められないことを取締役5人で決議を取っています。社内の取締役は3人で、残りの2人は社外取締役です。