「経営の師はホンダの“名参謀”」元サッカー日本代表がベンチャー経営者として躍動
ラブコールを送り「参謀」を招く
2019年12月には第一弾の商品として、理想の腸内環境を実現するためのサプリ「AuB BASE」を発売し、2021年1月には「腸と筋肉と栄養の関係」に注目したプロテイン「AuB MAKE」を発売予定だ。
こうして経営を軌道に乗せつつある鈴木さん。かつて本田宗一郎を支えて本田技研工業(通称ホンダ)を世界的大企業に育て上げた藤沢武夫を経営の「師」と仰ぎ、AuBにも藤沢のような「名参謀」を招いている。
「藤沢さんと本田さんの関係は素敵で、それぞれ『ビジネスマン』『職人肌』の特性をもつ人材がお互いを支えあい、サポートする間柄。思えば自分の現役時代もこの関係に似ていて、素晴らしい選手をサポートすることで、逆にその選手に活かしてもらってきました。
AuBに招いている『参謀』は、もともととある会社を経営していて、そこを卒業してフリーになっているとき、AuBの設立に協力してくれた方の紹介で出会いました。そこから1年くらい会社を手伝ってもらっていたのですが、『ぜひウチにコミットして働いてくれないか』とラブコールを送り続け、AuBに入っていただきました」
YouTubeは「他人の反応を学ぶツール」
経営者としての歩みを続ける鈴木さんだが、2020年11月13日からYouTubeチャンネルを開設。YouTuberとしてデビューを果たした。
「このチャンネルは、私自身がいろいろな人を対談形式で招き、サッカー・ビジネス・コンディショニングについて学びつつ、それを皆さんに発信していく場にしたいと思っています」
昨今、サッカー選手がYouTubeチャンネルを開設することは珍しくなくなった。しかし、一般的なYouTuberと異なり、鈴木さんはYouTubeをマネタイズし、生活につなげようという狙いはないという。
「YouTubeは、あくまでInstagramやTwitterといったメディアのひとつ。私は動画を撮影する過程で話したい相手と話せますし、自分の考えを十数分にわたって発信した際の視聴者のリアクションが見れるのも大きいですね。長い時間考えを話し、他人の反応を学ぶ場として活用していきたいです」
ちなみに、鈴木さんが言う「話したい相手」とは誰なのだろうか。
「まずは、イーロン・マスクですかね。『火星に行きたい』ってどうかしてますよ(笑)。まあそれは冗談として、スポーツを取り上げるなら岡田武史さんとか。岡田さんはプライベートでも話せますけど、メディアを通じて話すとまた違った中身になるんじゃないかと。経営者としては、三木谷(浩史・楽天代表)さんに話を聞きたいですね。『ヴィッセルどうするんだ?』って」