元ワコールの28歳女性が、焼き芋屋を始めたわけ。選挙にも出たパワフル人生
ヒットの秘密はリノベーションにあり
2018年から始めた「秘蜜な焼き芋」屋さんについては、「ビジネス的にチャンスだ!」という直感がきっかけだったという。
「焼き芋は便秘解消、美肌にする手助けをしてくれますし、秘蜜な焼き芋は1日じっくり寝かして甘みを引き出しているため、味も美味しいんです。また、ニット帽を被ったおじさんが白の軽トラックで販売する新聞紙に包まれた焼き芋ではなく、かわいいユニフォームを着たモデルみたいな女の子や男の子がピンク色のワゴンで販売するつい持ち歩きたくなるくらいおしゃれな焼き芋へと、従来の焼き芋のイメージを大きく変えることが鍵だと思いました。
私の人生の理念は『温故知新』をベースに仕事もプライベートも動いているのですが、秘蜜な焼き芋もまさに温故知新をベースにしています。古きよきものを大切にしつつ新しくリノベすることで、秘蜜な焼き芋を生み出しました。美味しくておしゃれできれいに近づける新たな時代の焼き芋だと思います」
これまでのイメージを大きく覆した秘蜜な焼き芋ですが、やはりコロナの影響は受けたのでしょうか。聞くと、むしろ「コロナをきっかけに幅を広げました」と明かしてくれました。
「秘蜜な焼き芋のさつまいもは関東の農家さんから購入したさつまいもを使用しています。農家の方々が手塩にかけて育てたさつまいもを、コロナ前と変わらない価格で購入することで農家さんの助けになれていたら嬉しいですし、私たちも美味しい焼き芋を作れますし、お客様も美味しい焼き芋を食べられたらいいですしね。現在はコロナ支援をきっかけに秘蜜な焼き芋を知っていただき、お客様の口コミで広がったお陰で当初の4~5倍以上の販売数になっています」
いもがーる、いもぼーいがSNSで拡散
コロナも味方につけ、当初の予定より売上を伸ばせている「秘蜜な焼き芋」。人気にするために力を入れていることもあるそうです。
「世界観を作りこみ発信すること。秘蜜な焼き芋の人気はこの発信の力で知名度を高められていると思っています。Instagramの公式アカウントでの発信はもちろん、スタッフが各自のSNSで発信してくれる力が大きいですね。いもがーる、いもぼーいと呼ばれる秘蜜の焼き芋のスタッフにはSNSのフォロワーが数千人、数万人のインフルエンサーも在籍しています。影響力のあるスタッフの発信のおかげで広まりました」
たしかにスタッフは美男美女ばかり。いもがーる、いもぼーい目当てに来るお客様もたくさんいそうです。
「いもがーる、いもぼーいのファンという方のおかげで、数時間で完売ということもあります。芸能界を志すスタッフもいるので、働きながら知名度アップに貢献してあげられ、お客様に美味しい焼き芋の味を知っていただけたら嬉しいですよね。“芋”って垢抜けない印象がありますが、そんな名前でも現在、約70人の芋ガールがお仕事してくれていますし、今では毎日10人近い女の子から応募をいただいています。名前だけでなく、いもがーるになりたいと思ってもらえるようなピンクのワゴンにあったかわいいユニフォームを準備しました」