ボーナス一括払いも怖くない！

　なお、塩崎さんの今回のボーナス支給額は約55万円。半分はボーナス一括払いで購入した冷蔵庫や洗濯機など家電の支払いに充て、自身が既婚者ということもあって、残りは貯金に回すそうです。

「結婚した後も電化製品は学生時代に買ったやつを使い続けていたので、そろそろ買い替えようと思っていたんです。サラリーマン時代はボーナス一括って勇気が必要で一度もやったことがなかったんですけど、公務員なら心配する必要はないじゃないですか。安心して一括払いを選ぶことができるため、そこはすごく助かっています」

　周りからは「いいタイミングで転職したな」と言われるそうですが、あくまでたまたまそうなっただけ。「単なる偶然に過ぎない」と塩崎さんは強調します。

安心して2人目を作ることができる

「前の会社は給料こそあまり良くなかったですが、上司や同僚にも恵まれて働きやすい職場でした。そのまま勤め続ける選択肢もありましたが、当時は今の妻と交際中で将来のことを考えたとき、安定した公務員に就きたいという気持ちのほうが大きかったんです」

　子供は昨年生まれた息子さんがいますが、もう1人ほしいと奥さんと話し合っているといいます。

「けど、もし公務員にならずに旅行会社のままだったらボーナスカットによる収入大幅ダウンで2人目は我慢しようか……ということになってでしょうね。実際に元同僚の家ではそんな話をしたそうですし、人生設計が大きく変わっていた可能性はある。

　僕自身、あまりストイックに物事に取り組める人間ではないため、学生時代に一度は諦めた公務員になる目標を最後までよく投げ出さなかったなって。そこに関しては当時の自分をホメてやりたいです（笑）」

　公務員への転職は、結果的に彼の人生そのものを大きく好転させることになったようです。

＜TEXT／トシタカマサ　イラスト／カツオ（@TAMATAMA_GOLDEN）＞