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「カフェブームの立役者」に聞く、ミーハーから流行を生み出すには

ビジネス

どんな状況でもカルチャーを創造する姿勢を

 最後に今後の展望について中村氏に聞いた。今年はコロナ禍で飲食業界は厳しい状況が続くが、どのような青写真を描いているのだろうか。

「自粛期間中、売上減は否めませんでしたが、従業員には『今はいいものを見たり自分を磨いたりする期間』と言い聞かせ、英気を養うよう働きかけました。ただ、何もやらずじまいではいけないので、存在感を出すためにコロナならではの企画を考えて発信しました。実店舗を持たないデリバリー専門の『ゴーストレストラン』、ソーシャルディスタンスを逆手に取った『ソーシャル・ディスタンシング マネキンプロジェクト』や『BYE BYE 2020 COME ON! 2021』など、激動の年だからこそできることに取り組みましたね」

トランジット

「ソーシャル・ディスタンシング マネキンプロジェクト」は、人気セレクトショップ株式会社 BEAMSとの共同プロジェクト

 どんな状況下においても「遊び場を作る会社」としての信念をぶらさず、トランジットらしさである「あっと驚くような非日常感」や「ワクワク感」を演出するべく、今後も事業を展開していくと抱負を述べる。

幸いGoToイートキャンペーンで売上も戻ってきた。11月には丸の内にフラッグシップレストラン『THE UPPER(アッパー)』をオープンさせ、東京に新たな食体験を根付かせていきたい。想定では来年に利益体質に戻る見込みで、飲食ではないメディアやイベントを仕込んだり、みんなが楽しめるようなバーを作ったりして、カルチャーを創造する会社としてのブランディング強化をしていく予定です

「カルチュラル・エンジニアリング・カンパニー」を標榜する会社として、これからどんなブームを起こしていくのか。トランジットの今後の動向に目が離せない。

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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