吉岡里帆、今の自分を作ったのはエキストラ時代の原体験
母親役を通して学ぶことは多かった
――最近では三木聡監督の『音量を上げろタコ! なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』でコメディエンヌぶりを発揮されました。
吉岡:『音タコ』は自分でもチャレンジングな作品だったなと思います。三木監督からも「ギターをちゃんと弾けないと嫌だなあ」と言われたので、他の現場の合間を縫って練習しました。やる以上はちゃんと弾けるようになるまで頑張りたいなと思って。
作品との出会いで自分自身が強くなっていく感覚もありますし、受け止め方によっては面白い発見の連続だと思うので、これからも挑戦は続けていきたいと思います。
――今回は一児の母親役で、冒頭から髪がぼさぼさというインパクトもありながら、強い女性を体現されていました。
吉岡:母親になったことはないですが、すごく腑に落ちる感覚がある役柄でした。人生で自分一人で強くいることは難しいのですが、大事なものがあればずっと強くいられるんだなって、役を通して感じました。ことねを通して学ぶことは多かったですね。
「いま作品に出ないで、いつ出るんだ」
――役を通じて学んでいけることは仕事を継続する上でのモチベーションになっていますか?
吉岡:モチベーションっていう感じではなく、興味深い仕事だなって思うことのひとつですね。わたしの場合「この作品に出ると成長できるかも」がモチベーションにはならなくて、結果的に役や作品から学ぶことはありますが、あくまでも観てくださるみなさんが楽しんでくれる作品を作ることが大事。自分の成長よりも、お客さんに楽しんでいただきたいということがモチベーションになっていると思います。
いまは年齢的に止まってはいけない、走り続けないといけないと勝手に思っているんです。自分の成長期、心の成長を感じる時期だと思っていて「いま作品に出ないでいつ出るんだ」くらい、自分にとって意味があるような気がしています。