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マスクつけすぎで肌荒れ、細菌が繁殖…肌トラブルの対策を医師に聞く

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マスクが老け顔や顎の痛みの原因に?!

マスク 美容

 ヒアルロン酸を配合したリップクリームもあります。その効果も、使用した80%もの人が唇のハリを実感しています。確かに潤いますが、数時間ごとに塗り直す必要があります。ですから、化粧品に配合されたヒアルロン酸への「行き過ぎた」期待は、しないほうが良いでしょう。

 話は変わりますが、コスパが良いリップクリームとしては、ワセリン配合のものがオススメです。ワセリンは唇表面に保護膜を作り、唇の水分が蒸発しないようしてくれるので、乾燥防止になります。マスクをする前後、付けている途中に塗ってください。唇ケアを始めてから数日で、カサカサ唇の状態が改善することでしょう。

 マスクの美容的な弊害は、肌荒れだけではありません。なんと、老け顔になる可能性も高まります。マスクをつけると、相手から自分の表情が見えにくくなります。すると表情を作る機会は減り、比例して笑顔になる機会も減ります。笑顔は表情筋を効果的に引き上げ、フェイスアップに絶好の運動です。その回数が減ると、表情筋がたるみ、顔が垂れて、老け顔になります。

マスクにより顎が痛くなる人も

 加えて、マスクにより話す機会が減り、話す時間も短くなります。すると口周りの動きが減り、口周りの筋肉が衰えます。口がへの字になると、二重アゴにもつながるので注意が必要です。ただでさえ、オンラインや3密の回避で、人に会う機会が減っています。セルフエクササイズで表情筋を鍛えるといった、シワ・タルミ対策をとってくださいね。

 また、マスクにより顎が痛くなる人も増えています。これはマスクの“意外”な弊害です。この原因は前述したマスクの「擦れ」にあります。こうした擦れを避けるために、下顎を前に出したり、口を普通以上に大きく開けたりして、マスクを肌から離そうとする人がいます。またマスクがズレないよう、下顎を前に出したり、口を開けたりしている人もいます。

 しかし、これらの動きは全て顎にとっては不自然で、無理のかかった動きです。こうした動きが続くと、顎を動かす筋肉に無理がかかり、顎が痛くなります。

 逆に、感染対策に気を使いすぎ緊張してしまい、マスクの下で口を強く締めている人がいます。無意識のうちに、上下の歯を噛みしめているのです。これも顎の筋肉に負担をかけ、顎が痛くなる原因となります。

<TEXT/歯学博士 宮本日出>

歯科医師・歯学博士。幸町歯科口腔外科医院 院長。国内外に160篇以上の論文を発表、複数のメディアにも登場。著書に『「デブ味覚」リセットで10日で-3kg! レモン水うがいダイエット』(あさ出版)『お口からの感染予防』(ギャラクシーブックス)など

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