マスクつけすぎで肌荒れ、細菌が繁殖…肌トラブルの対策を医師に聞く
悩ましい口周りの肌荒れ。原因はマスク!?
肌は、皮脂腺からの脂と汗線からの汗で膜(皮膚保護膜)を作り、皮膚を保護しています。これらは男性のほうの分泌量が多いため、女性だと乾燥しがちになりマスクによる肌荒れに悩まされている人が多いです。
しかし男性も、髭剃り後は肌の表面は荒れやすくなっています。また顔の脂を落とそうと、刺激の強い洗顔料で顔をゴシゴシ洗うと、皮膚の表面が弱くなります。男性も、マスクでの肌荒れには注意したいです。
マスクをつけると、肌荒れの条件が揃います。その条件とは、「擦れ」「蒸れ」「乾き」です。「擦れ」はマスクの着脱や、ズレを直す際に起こります、これが続くと、表面の皮膚が荒れます。「蒸れ」は口から出す息で生じます。吐いた息は温度と湿度が高く、これがマスクの中にたまると悪い細菌が繁殖します。こうした細菌は肌のコンディションを悪くし、ダメージを与えるのです。
マスクの下で高温・多湿になった肌の表面には、水分がたまります。マスクを外すと、たまった水分が一気に蒸発するのですが、その際、肌の水分も一緒に放出されるため「乾き」ます。これらを繰り返すうちに、口の周りの肌荒れがひどくなっていくのです。
マスクの弊害が最初に出るのは唇
唇の構造は、皮膚と粘膜の中間であり、角質層という皮膚表面のバリアが薄いのです。したがってダメージに弱いので、真っ先にマスクの弊害が出ます。また、唇は皮脂腺が少なく、汗腺もありません。つまり、皮膚保護膜がなく、内部の水分が蒸発しやすいのです。乾燥するスピードは肌の5倍にも上ります。
マスクによる「擦れ」「蒸れ」「乾燥」は、唇特有の「硬化剥離」という現象をもたらせます。これは「唇の皮がポロポロむける」状態です。
また、マスクは口呼吸になりやすくなります。特に若い女性は、半分近くが口呼吸になるといわれています。口呼吸は、唇が荒れる原因です。加えて、唇が乾くと知らないうちに舐めてしまいがちですが、舐めると唇荒れはもっとひどくなるので注意しましょう。
こうした唇荒れのサインを見落とすと、マスクの下で悪い状態が続きます。「たかが唇荒れ」と思わず、しっかりと対策をとりたいところです。