実働20時間で日当7500円のツアー添乗員。激務の末に待っていたのは…
お客さんが帰っても仕事は続く…
かなり厳しい勤務形態ですが、添乗員の業務はこれだけではありません。
「実は、旅行の前日にもやることがあるんです。ツアーに参加するお客さん全員に『明日は旅行当日になりますので、何時にどこそこに集合してください』という連絡を入れないといけないんです。立ち寄り先への確認も必要で、合計するとだいたい2時間から3時間ほどかかります。この業務も含めると、実働は19~20時間。時給は完全に400円を下回りますね」
それでも添乗員の仕事には魅力があったと増田さんは言います。
「やっぱり旅行が好きだったので、提供する側で仕事をするのは楽しかったです。参加してくれたお客さんが喜んでくれた時は本当に嬉しかったですし、幅広い年齢層の人と交流できるのも仕事の醍醐味のひとつでした。ただ、唯一許せなかったのが、私が勤務していた会社の社長です」
宿泊ツアーのために資格を取ったのに…
しかし社長のある振る舞いのせいで、増田さんの向上心はへし折られることになったのだとか。
「宿泊が絡む旅行の添乗員もできる国内旅行業務取扱管理者の資格も取ったんです。でも、何回かお試しで泊まりのツアーを担当させてもらえただけで、その後はずっと日帰り旅行しか担当させてもらえなかった。
泊まりの旅行は、日数分の日当が出ますが、旅行の2日目以降は前日の連絡業務や、早朝にバス会社に行く必要もないので、日帰りよりも割が良いんです。お客さんと接する機会も多いですし、宿泊が絡むツアーのほうが喜んでくれるお客さんが多いのも魅力的でした」
理恵さんが日帰り旅行しか担当させてもらえなかったのは、なぜだったのでしょうか。
「理由はシンプルで、私が社長の好みじゃなかったからです。社長のお気に入りの顔がかわいい子は、泊まりの添乗員業務ばかり入れてもらえるのに、私や年配の人たちは日帰りの業務しか担当させてもらえませんでした」