コロナで人気の千葉移住「田舎と都会のいいとこどり」二拠点生活する猛者も
白い砂浜に魅せられた移住者のローカルライフ
都会と田舎のいいとこ取り。都市に詳しく、御宿で10年間二拠点生活を営むライターの速水健朗氏は、千葉の懐の深さを別荘暮らしで体感している。
「湘南だとニューウェーブ系の海の家があって、ナシゴレンが食べられたり、ハワイのようにソファでくつろげる一方、御宿の海の家はまさに昭和。椅子とテーブルがあるだけで、かき氷もいまだにブルーハワイが売れ筋です。でも、そんなローカル感がいいんですよね。東京から特急わかしおに乗って1時間半程度なので、地元民で東京に通勤している人もいますよ」
速水氏が御宿で過ごすのは週末。仕事に集中するための滞在だ。
「砂浜沿いのマンションを仕事部屋として借りていて、原稿を書いたり本を読んだり。食事は地元の魚屋に刺し身を買いに行きます。千葉でとれたものは、東京で買うより2~3割は安いです。伊勢海老が名産なので、鍋を作ることも。ちなみに御宿には『エビアミーゴ』というゆるキャラがいます」
九十九里エリアは“ジェネリック湘南”
海鮮の魅力だけでなく、キャンパーにもおすすめだとか。
「外房エリア全体にグランピング施設や手作り建築のキャンプ場が増えています。ほかには“屋台コーヒー”など、カリフォルニアっぽい文化も定着しつつある」(速水氏、以下同)
人気の九十九里エリアは、サーフィンはもちろんおしゃれなスポットが激増。物件のコスパがいいことから、速水氏は“ジェネリック湘南”と呼んでいる。
「地元民ではないサーファーや観光客が多く、ローカルの厳しい目線もないので過ごしやすいと思います。昨年、坂口憲二さんがコーヒーショップを立ち上げてから、もはやリアル湘南を追い抜いてきている印象です」
一口に千葉といってもさまざまな顔がある。
<千葉移住3か条>
・田舎→都会の逆二拠点生活が可能
・東京と比べ物価が2~3割安い
・リアル湘南を追い抜くほどの勢い
【永森昌志】
シェア里山ヤマナハウス代表。’77年生まれ。慶應義塾大学卒。南房総市公認プロモーター。シェア里山ヤマナハウス、コワーキングスペース「HAPON新宿」を運営。
【速水健朗】
ライター。’73年、石川県生まれ。ラジオ『TOKYO SLOW NEWS』(TOKYO FM)のMC。著書に『東京β』(筑摩書房)など。御宿に別荘を所持。
<取材・文/週刊SPA!編集部>