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21歳がカリスマ美容師に憧れて上京…「月3万円の仕送り」が生命線

学び

バイト代は入ったが、仕送りはもらい続ける

美容室

 緊急事態宣言が出て以降、麻里奈さんの働く美容室は休業になっていたといいます。その期間はオンラインでの講習や個人練習もこなしつつ、空いた時間にアルバイトをしていたそうです。

「知人の紹介で地下アイドルの事務所のバイトをしていました。コロナでライブはできないけど、その分チェキや物販に力を入れていて、宛名書きや発送などの裏方の作業を手伝いました。時給は千円だけど、1日8時間は働けて、正直言ってかなり助かりました」

 休業中、しっかり振り込まれた給料に加え、アルバイトで稼いだ10万円のおかげで生活はいつもより安定していたといいます。が、あえて実家からの仕送りはもらい続けました

「別に無駄使いをしていたわけではないんです。いきなり『今月は大丈夫!』って言ったら、変なバイトしてるんじゃないか? なんて疑われるんじゃないかなぁと思いまして。それに、休業期間が終わって、また普通の暮らしに戻ったら、情けないですがバイトをする時間もないし、仕送りなしで生活するのは厳しいですから……」

失業を考え節約する日々

 また休業中は、他にも不安なことがたくさんあったといいます。

「私みたいな新人はクビになるんじゃないかってずっと心配してました。まだ技術もないし、固定客もいない。新人の中でも飛び抜けて上手いわけでもなかったし……。だから、バイト代も全く手を付けず、普段しない自炊をしたり……。ひたすら節約生活していました」

 失業保険のことを調べたり、求人にもよく目を通していたそうです。

「今は店も営業再開して、私も以前と同じように働けています。ただ、不安ですよね。いつまでも親に仕送りをもらえる訳ではないし。美容師として、独り立ちが出来たとしても指名のお客さんがいないと生き残っていけませんから」

 そう不安を吐露した麻里奈さんですが、まだまだ上京してきたばかり。「結論を出すのはまだ早すぎますよね」とつぶやく横顔には、“カリスマ”を目指すための強い決意が見えました。

<取材・文/吉沢さりぃ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。近著に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)がある。『日刊SPA!』『BLOGOS』などで執筆。趣味は飲酒
Twitter:@sally_y0720

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