ユニクロのチラシはなぜゴチャゴチャなのか?ブランド戦略で勝つ企業
ユニクロのチラシはなぜゴチャゴチャしているのか
以前、ユニクロの「ブランディングと販促の二面性」についてつぶやいたツイートが多くの反響を呼んでいたので、改めてこの場でも解説してもらった。
「ブランディングの教科書としては、通常『統一性』を重視すると思いますが、その点でいうとユニクロは異質に映ります。
ユニクロが上手いなと思うのは、一流のデザイナーや、第一線のクリエイティブディレクターを起用して、しっかり投資をしながらブランドのイメージを作り込んでいる部分。一方で、目の前でお客さまがモノを買う、販売促進としてのチラシを残し続けていることです。
ドン・キホーテに近い感覚ですが、ごちゃっとしたレイアウトのチラシの中から、掘り出し物を見つけるって作業から、購買意欲が刺激されるんじゃないかなと」
ミルボンでも、そういった点を戦略的に取り入れているのか。
「ユニクロとまではいかないですが、発信する媒体によってトーン&マナーの方向性は分けています。Twitterでは、フランクなコミュニケーションを頻繁に取りながら、ユニクロのチラシに近い役割を果たしています。また、ブランドのイメージや世界観を伝えていくのが、Instagramの役目。無理やり統一感を持たせようとするより、顧客の情報接点に合わせて上手く切り分けられるブランドでありたいと思います」
偏愛的な情熱が大事かも
消費者目線にたった時に、竹渕さんが好きなブランドは「Mr. CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)」だという。フレンチレストランのシェフだった田村浩二さん(株式会社Mr. CHEESECAKE代表)が独立し始めた、ネット限定のチーズケーキ専門店だ。
「テレビで紹介されていたり、SNSでも話題になっていますが、とにかく作り手であるシェフの田村さんが、チーズケーキを語っている熱量がもの凄いんです。もちろん語るだけでなく、周りのスタッフさんもきちんと固まっていて、HPやSNSに載せる写真もセンス抜群。チーズケーキってもともと苦手だったんですけど、今では嫁と子供を含めて、すっかりファンになりました(笑)。
とことんこだわっているからこそ、『どう売り込もうか?』と押しつけるのではなく、『どうやったらお客さんが喜んでくれるか?』ってところにフォーカスしているんだと思います。
ミスターチーズケーキのWEBサイトや田村さんのツイートを見ていても、こだわりを強く感じますし、予算や戦略どうこうってことではなく、偏愛的な情熱が大事なのかなと。ブランディングに携わる者として非常に勉強になりますし、今後も注目しています」