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なぜ高円寺の人気芸人4人は「地域密着YouTuber」になったのか?

暮らし

高円寺は本当に「芸人の町」なのか?

高円寺チャンネル

鬼越トマホーク坂井さん

――最近は三軒茶屋にも芸人さんが増えてきたという話もありますが実際は?

坂井:あー、三茶はちょっと売れた芸人とか、大阪から上京してきた芸人とか。とくに大阪から三茶に上京してくる芸人って、先に来た人の情報だけで住みだしちゃう。三茶って実は高度な街というか、車とかタクシー移動だったらいいんですけど、電車は渋谷以外に行きづらいじゃないですか。そこらへんがわかってないから、バカだなーと思ってます。

なんぶ:おい! 知らないだけだから!(笑)。ほかにも芸人タウンでいうと、中野、笹塚とか幡ヶ谷も住んでる人は多いですよね。

坂井:ほんと高円寺ってバカにされてるんですよ。僕の相方(金ちゃん)は「高円寺って汚ねぇじゃん!」とかいうけど、上京してきた芸人が1番最初に住むべき街だよな。

なんぶ:そうだと思います。

坂井:こないだ同期のデニスの植野行雄が今は他の街に住んでて、コロナ禍で給料が落ちてきちゃったから、高円寺に移住を勧めるっていう動画を撮って 。地元の不動産屋に入って、撮影はしなかったんですけど、最初の物件を見せられたときに「こちらは敷金と礼金が1か月ずつかかっちゃうんですけど……」って、申し訳なさそうに見せてきて(笑)。

なんぶ:いつもはどんな層をメインにしてんの!? っていう。

坂井:パソコンも「ウィンドウズ85」ぐらいだったな。

なんぶ:ないから!(笑)。

坂井:芸人にも愛があるというか、信用できるなって思うんですよ。こっちの身になって話を聞いてくれるというか、いつからこの文化が始まったのかは知らないですけどね。

家賃1万7000円の物件に住む男

高円寺チャンネル

構成作家なんぶさん

――そんななか、動画でも紹介してたもぐらさんの話は強烈でした。

坂井:家賃1万7000円のところに住んで、半年も滞納してましたから。さすがに温厚な高円寺の大家も、1万7000円でその期間滞納されたのが初めてだったらしくて。もぐらが着てたシャツの両襟を掴んで、至近距離で「お前は人間のクズだ!!」ってブチ切れたらしいです(笑)。

 そんな穴倉のような部屋で、乾電池式のラジオで震えながらTBSラジオを聞いていて。1回だけTBSに呼ばれて行ったときにその話をしたら、すごい反響があって。今はそこで番組を持つというね。高円寺のわらしべ長者みたいな話ですよ。

――チャンネル内で紹介されている飲食店は各メンバーのチョイスですか?

坂井:そうですね。動画でも取り上げてますけど、高円寺はほかの上品な街と違って、低所得の芸人でも十分楽しめるような価格設定のお店が多いんです。旨くて安いという意味では大阪にも似たような雰囲気があるかもしれない。

なんぶ:大阪から芸人さんが来てて接待しないといけなくなっても、高円寺だったら3日は楽しませる自信がありますよ。

坂井:あとは文化の流れも独特というか。いきなりラーメンが流行ったり、カレーが流行ったり。新店と老舗の混ざり具合もいい。それから何か所が点在するお店がコロコロ変わるテナントもあったりな。

なんぶ:ありますね。高円寺デススポットが。

坂井:ただ、そんなデススポットで高円寺民にハマる店が出てくるんですよ。ラーメン屋の「じもん」とか、焼き鳥屋の「音鶏家(おんどりや)」はそうですね。

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