元ゴールドマン・サックス社員が教える「投資初心者のための発想術」
では、どう考えるのが正しいのか
そこで、「ふすまパンの原料を作っている製粉会社はもっと売上増えるかも?」と踏み込んで考えてみましょう。原材料を作っている製粉会社であれば、コンビニよりは敏感に、ふすまパンの流行が業績に効いてくる可能性があります。
そこで、株式上場をしている製粉会社で、かつふすまパンの原料を作っている企業をインターネットで検索してみるのです。上場企業は業績に影響する出来事はサイト内などで発表しているので、もしかするとふすまパンの原料の工場のラインを拡大したとか、大きな販路を持つ会社と提携したというプレスリリースが見つかるかもしれません。そこまで来るとかなり有力な投資先候補になってくるのです。
日常のちょっとした会話による気付きも、掘り下げていくと投資材料となる。そう思うと、自分でもできるかもという気持ちになりませんか?
業績が伸びる企業を予想しよう、と言われると「決算書を読み込まないといけないのかな…」と難しく聞こえてしまいます。しかし、はじめは直感からでいいんです。
実は投資のプロも同じよう探している
自分の日常生活のなかでの気づきが、本当にこの会社にとってインパクトあるのかな? なければ他にどういった会社だったらインパクトありそうかな? ということを考えたり、周りの人とワイワイ話してみるのが良いと思います。
皆とワイワイする、これは楽しく投資をするためにとても重要なポイントです。好奇心をもって物事を見ている人は、普段の生活のなかでの気づきを投資のヒントにして成功する可能性は十分あります。
このように、普段触れている情報やちょっとした気づきが、視点を変えると投資材料になることは往々にしてあります。実は投資のプロも同じようにして出資先を探しています。プロはここから、1)銘柄を選定して、2)業績予想をして、3)本当に業績にインパクトがあるなら投資をする、ということになります。
しかし、プロのような高い精度で考えなくても、まずはできる範囲でこのステップを繰り返してみる。そして実際に少額でいいから自分の考えにそって投資をしてみる、失敗してもそれを次に活かす、といったことをしていくと長期的に投資と付き合っていく下地が整ってくると考えています。