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手取り15万のカフェ店員。唯一の働くモチベーションは“インスタ映え”

学び

バイトがうらやましい

「家賃と光熱費で5万円しかかかっていませんが、実際かなり節約しないと生活できません。ちょっと高めの化粧品はもちろん買えないし、洋服はほとんどGUや韓国製のプチプラばかりになりました。友達とご飯に行くにも、お茶をするにも値段を気にする癖がつきましたね」

また、不満は「給料面だけではない」と華さんは話します。

「カフェバイトの子のなかには、売れないタレントや役者の子が何人かいるんです。たまにファンらしき人が遊びに来たりしているから、宣伝効果にもなってはいるんでしょうけど、いきなり『オーディションで休みます』『撮影入ったんで休みます』っていうことがあるんです。そうなると当然、私たち社員がシフトに入らなければいけないので、勘弁してほしいですね……」

 正社員の華さんが休日出勤をしても給料には反映されない(当然これは法律違反)そうですが、バイトは急なスケジュール変更が可能で、なおかつ時給1300円スタートという高待遇なんだとか。

「休みの融通は利くし、1日8時間働けば1万円になるなんて『羨ましい』って思います。他にもっと良い時給のバイトはあるだろうけど、単純に自分と比べると割が良いなって思っちゃいます」

唯一のモチベーションは“インスタ映え”

インスタ映え

 そんな彼女が今の仕事を続けているモチベーションというと、「収入の保証」や「社会的な責任」ではもちろんなく――。

「私がこの仕事をやめない唯一の理由は、“インスタ映え”ですね。正直それだけかもしれないです。お店の写真やメニューをインスタグラムに載せると必ずたくさんの“いいね”がつくので、励みといったら大袈裟ですが、それが嬉しくて続けていますね」

 また一般企業に務める友人からも「オシャレな職場でいいね」「そんなところで働けて羨ましい」などと、羨望の眼差しを向けられることも多いそうです。

「OLの子と違って、髪型や化粧は好きにできるし、オシャレをすることも仕事の一部みたいなところもありますから。黒髪でネイルやまつげエクステすらも禁止な彼女たちからしたら、羨ましいんでしょうね。薄給であること以外は他人ウケの良い仕事です

 とはいえ、「この仕事は学生時代の片手間でするくらいがちょうどいいと思いますよ」と断言する華さん。今後長く続けるつもりはなく、このまま彼氏と結婚して、仕事をやめたいと思っているそうです。

<取材・文/吉沢さりぃ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。近著に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)がある。『日刊SPA!』『BLOGOS』などで執筆。趣味は飲酒
Twitter:@sally_y0720

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