手取り14万円の介護職、夢を見て上京するも…残ったのは130万円の借金
ネットビジネスに手を出し…
貯金もほとんどない状態で上京し、狭いアパートに住み始めた和田さん。
「家賃5.5万円の1Rに男2人が住む暮らしが始まりました。友人が計画していた仕事は、服を安く仕入れてネットで売るというものでした。とはいえ、最初のうちはバイトをしないと生きていけないので、渋谷でアパレル販売員として働き始めました」
夢を抱いた東京での暮らしでしたが、そこでは結局何もかもがうまくいかなかったといいます。
「友人の仕事を手伝いながらのバイト生活は思った以上に忙しくて大変でした。郊外の倉庫などに買付しに行って、仕入れた商品をフリマアプリに出品していましたが、想定より売上が芳しくなく……。結局、友人もバイトを始めてしまい、ビジネスはどんどん軌道から逸れていきました。
そんな時期にバイト先の先輩にネットビジネスに誘われ、高い入会金を払ってしまったんです。
手取り14万のうち5万を返済に
「ネットカジノに入会させるものと、韓国の美容商品を買わせるもの、2つのネットビジネスに手を出しました。1か月で取り戻せるからというので、消費者金融でお金を借りました。しかし、結局どちらも全く儲からず『入会金を返せ』とバックヤードで先輩を殴ってしまったんです。バイトはそれで辞めることになってしまいました。
全く首が回らなくなり、友人も始めたビジネスがうまくいかなかったので、結局1年足らずで地元に帰ってきました。生活費、引っ越し代、ネットビジネスで作ってきた借金は130万円。実家の父にもカネはなく、とにかく自分でしっかり働いて返すしかないということになり、また介護職に出戻りしました」
現在はまた同じ施設で働きはじめ、14万円の手取りのうち、5万円を返済にあてているそうです。
「来年で30歳。本当は結婚もしたいけど、借金持ちなんて誰も相手にしてくれない……。今はとにかく、35歳くらいまでには借金完済を目指して毎日働くしかありません」
<取材・文/ミクニシオリ>